流行ヘアの裏に潜む感染リスク


 

スキンフェードのお客様はサロンで、理美容師の方は講習の講師に、主催者に質問してみてください。


「そのシェーバー、家族や第三者、お客様にも使い回せるものですか?」

▶︎問題提起1

「社会への問い」


理容店、美容店、さらにフェードカット、ヘアシェーバー、そして電気剃刀を加えて、ぜひ一度、検索してみてください。何が表示されますか?トレンド? スタイル写真?でも──そこに現実が隠れています。
 
さらに「感染リスク」を加えて再び検索してください──隠れていたものが見えましたか?
 
進化し身近になった「AI」に電気シェーバーを理美容店で業務使用した際の血液感染リスクは?と質問してみてください──そこで問題点が明らかになるはず。
 
注意
まずお伝えしたいのは、フェードカットというヘアスタイルそのものに危険性があるわけではありません。
 
適切な器具管理・正しい衛生管理のもとで施術されるフェードスタイルは清潔で安全な技術です。
 
私たちが問題視しているのは、その背景にある理美容師の「使われている道具」と「管理の甘さ」です。
 
フェードカット流行のなか、この10年ほど理美容業界では家庭用ヒゲシェーバーと同じ構造をもつヘアシェーバーをお客様の頭皮に使用している理美容店が存在します。
 
もちろん、ヒゲ用シェーバーは正しく個人で使う限り問題ありません。問題なのは、不特定多数への業務使用です。
 
実際、業務用として使用した場合──頭皮に対するダメージ(傷)や微細な出血・体液接触を通じて、長期間をかけて進行する肝炎などの血液感染症リスクが懸念される製品です。
 
鋏やヘアシェーバー、トリマー用として販売されている「除菌スプレー」をかけて“これでOK”と判断し、不特定多数に使い回す国家資格者である理容師・美容師がいるのも現実です。
 
また、そのような製品が業務における消毒ができると理美容師向けに広告をだす業者もいます。
 
ちなみに、理美容師免許とはカットの資格ではなく、公衆衛生に関わる国家資格です。これは世界的にも珍しく、日本国憲法に基づいた公衆衛生の実践者資格として感染症予防責任が課されています。
 
こうしたヒゲシェーバーは、ネット上のレビューにもフェードカットや介護現場での使用実例が多数書かれています。
 

▼ 大手通販サイトにおけるレビュー(要約)より

・訪間美容でおじいさんのひげを剃りますが、奇麗に剃れます。

・髭剃りのみならず、髪の毛(刈り上げ、フェードカット)にも使えます。

 
なお、洗剤使用による流水洗浄に対応した家庭用ヒゲシェーバーを取り扱う国内販売会社の見解としても、今回の問題への質問には
 

「第三者との共有は、
家族間であっても推奨されず、
理美容業務での使用は想定されていない」

 
との回答説明がありました。
 
さらに、高濃度アルコール除菌システムをもつ製品説明書にも“家族間での共有も禁止”と明記されています。
 
にもかかわらず、それを不特定多数のお客様に使用する国家資格者
 
この製品を理美容師に業務用販売した商社フェードカット用に業務使用する講師、それを主催する業界団体注意喚起を行わない業界の体質が存在します。
 
今後、感染症問題がそれに対する不安.疑念が、もし社会的に表面化したとき──
 
販売側は「説明書に記載していた」と主張するでしょう。最終的に責任を問われるのは、実際に使用した理美容師となるはずです。でも本当にそれだけの問題でしょうか?商社、講師、講習主催団体の責任は?
 
何よりも最もリスクを抱えるのは──流行ヘアを信頼してサロンに任せたお客様の未来そのものなのです。
 
これは2016年、一般社団法人 日本衛生管理協会の創立以来、私たちが一貫して訴え続けてきたことです。
 
今回改めて取り上げたのは、社会──そしてお客様からの厳しい目線により「技術免許」と誤解した理美容師に、改めて公衆衛生の責任を思い出してほしいからです。
 
そして──慌ててサロンや業界がSNS投稿を削除したとしても、すでに施術を受けたお客様の頭皮の記憶は消えないのです。
 
様々な業界を揺るがしているコンプライアンス違反とは、「長期間、見ぬふりをしてきたこと」への社会からの問いかけです。
 
どうかこの現実が、理美容業界だけでなくお客様自身にも届きますように。
 
そして理美容師の皆様へ。
 
私たちの衛生講習が、新たな意識変革のきっかけとなりますように。
 
なお、私たち日本衛生管理協会は組織名を冠するだけの安易な「安全宣言」は行いません。しかしながら、日本衛生管理協会の修了サロン、およびヘアシェーバーを使用せず適切な衛生管理のもと、器具をお客様ごとに管理して施術を行うサロン環境下でのフェードカットは明確に「安心・安全」であると考えています。
 
また今回はフェードカットに関する問題提起でしたが、高齢者施設、介護現場において、個別所有ではないヒゲシェーバーを介護・訪問理美容師が共有/業務使用している場合は、さらに深刻な問題となる可能性があるため、併せて注意喚起いたします。

 

▶︎問題提起2

理美容師向けヘアシェーバー販売メーカーの質問状提示


御社製品についての質問状
御社の「フェードカット用電気シェーバー」(以降、御社シェーバー製品)に関し、以下の点についてご回答をお願い申し上げます。質問事項内容に重複している部分がありますが、多角的に評価するための設定となっております。そのため、回答が重複する場合があるかと存じますが、各質問ごとにご対応いただけますと幸いです。
 

質問内容Q1


御社シェーバー製品における感染リスク対策についての見解

通常、電気シェーバーの取扱説明書には「家族を含む他人との共用は感染症のリスクが高いため避けること」と記載されているのが一般的です。シェーバー型製品はトリマーに比べ構造が複雑であり、専用アルコール液で浸漬洗浄や消毒を行うタイプの製品であっても、内部に付着した皮膚片や病原体(黄色ブドウ球菌など)を完全に除去することは難しいと考えられます。そのため、こうした工程を経てもなお、「家族を含む他人と共用」することは感染リスクがあるとされています。

家庭で個人が使用する場合は自己責任の範囲内で清掃などの管理が行われるため問題ないと考えます。しかし、理美容店での使用となると、トリマーのように掃除用ブラシで清掃することが構造上難しく、高圧縮エアーで清掃する場合でも毛髪片や皮膚片が広範囲に飛散する可能性があり、それは感染症対策として不十分です。

御社シェーバー製品は、プロフェッショナルユース、つまり理美容師が第三者であるお客様に使用することを前提としていると理解しております。この場合の御社シェーバー製品の共有リスク、特に体液(血液)との接触感染リスクについて、御社の見解をお聞かせください。

 

Q2


御社シェーバー製品設計

二枚の上下刃で構成されるトリマーとは異なり、電気シェーバーの刃および内部は皮脂や皮膚片が蓄積しやすい構造となっております。特に電気シェーバー使用時の「深剃り」の過程では、薄い網が皮膚に密着し、その上を刃が通過することで、トリマー(刈り高さ0.1ミリ程度)よりもさらに深く毛髪を刈り込む仕組みになっていると理解しております。この工程で皮膚片や毛髪微粒子が生じ、トリマーとは異なる感染リスクが高まると考えております。

そこで、理美容師向けに販売されている御社シェーバー製品設計が、「家族を含む他人との共用は感染症のリスクが高いため避けること」と記載されている家庭用電気シェーバーとの違いについて詳しくお聞かせください。第三者間での共有による感染リスクを軽減できる設計が施されている場合、その具体的な技術的特徴やメリットについてもご教示いただけますと幸いです。

 

Q3


お客様毎の感染症衛生管理対策工程

家庭用かつ個人使用であれば、御社製品の水洗いや洗剤を用いた振動洗浄機能で十分なメンテナンスが可能であると考えます。しかし、トリマーとは異なる構造を持つ家庭用電気シェーバーと同様の構造である御社シェーバー製品は、理美容室でのプロフェッショナルユースにおいては、日本の理容師法が適用されます。

毛髪をトリマーによる0.1mmよりも短く、皮膚表面上0mm以下にする工程は、シェーバー、つまり剃刀と同じと見なされます。このため、御社シェーバー製品を理美容店で使用する際の感染症衛生管理においては、理容師法に基づく以下のような感染症衛生管理対策工程が「お客様ごと」に求められると考えます。

 - 流水での洗浄
 - 洗剤を用いた洗浄
 - 法定濃度のアルコール液に10分以上の浸漬

ただし、現実的な理美容店での使用環境においては、トリマーのように使用毎に消毒濃度アルコール噴霧を行うことが一般的かと思われますが、皮脂や皮膚片などが付着した多枚刃は網の下に隠れて目視できません。そのような構造での血液感染症(HBVやHCVなど)に対しては、消毒濃度アルコール噴霧処理では不十分であることは明白です。

そのため、医療現場で剃毛に使用されるメディカルトリマーやシェーバーでは、刃の部分が使い捨て仕様となっております。

御社の本社が所在する国では、理美容師に対する資格制度や衛生管理基準が日本の理容師法とは大きく異なる状況であると認識しております。そこで、日本国内におけるプロフェッショナルユースとしての御社シェーバー製品の使用に関し、血液感染症(HBVやHCVなど)を含む衛生管理基準やその具体的な手法について、日本法人としての御社の見解をお聞かせいただけますでしょうか。

また、上記手法におけるHBVおよびHCVの不活性化効果を検証したエビデンス(試験データや関連文献など)がございましたら、併せてご教示いただけますと幸いです。特に、理美容店における使用を前提とした場合に重要視される感染リスク管理について、具体的な指針や技術的根拠がございましたら、併せてご教示いただけますと幸いです。また、その旨は製品内の取扱説明書に明記されているでしょうか?

 

Q4


説明

上記質問でも触れておりますが、御社シェーバーの取扱説明書には、家庭用電気シェーバーと同様に「家族を含む他人との共用は感染症のリスクが高いため避けること」という一文は明記されておりますか?

 

Q5


御社シェーバー製品による感染事故

御社シェーバー製品を含む理美容器具を使用し、かつ御社シェーバー製品以外の使用する理美容器具は理容師法定消毒工程を遵守していた場合でお客様からの血液感染症リスクの指摘があった場合、お客様目線では「家族を含む他人との共用は感染症のリスクが高いため避けること」として電気シェーバーを使用していることに注目されると思いますが、その際の説明責任は御社含むメーカーにあると思いますか?使用した国家資格者である理美容師にあると考えますか?

 

結論


理美容師向けヘアシェーバー販売メーカーからの回答
2025年2月に「関係部署に確認します」と返答があったまま2025年7月回答は現在なし。

 

▶︎問題提起3

AIへの問いかけによる“第三者的な”リスク可視化


理美容師向けヘアシェーバー販売メーカーからの回答がないため。AIへの質問をいたしました。回答は下記になります。

Q1


「電気シェーバーの業務使用リスク」
家庭用電気ヒゲシェーバーは水洗いし、洗剤で洗える機能がついた製品でも、取扱説明書には「感染症リスクがあるため家族を含む第三者共有不可」と記載しておるけど、それを国家資格者である理美容師が、お客様のヘアスタイル〜頭皮に対して「第三者共有」業務使用していることの様々な皮膚疾患などの感染症、肝炎ウイルスなど含む血液感染症リスクはどう考える?
 
AIによる回答

家庭用電気ヒゲシェーバーを理美容師が業務で共有使用することについての感染症リスク家庭用電気ヒゲシェーバーは、使用後の刃部分に皮脂、角質、微細な傷からの血液や体液が付着する可能性があります。これを十分に洗浄・消毒せずに第三者に共有すると、以下のような感染症リスクが高まります。

皮膚感染症としましては、黄色ブドウ球菌や化膿レンサ球菌による毛嚢炎や蜂窩織炎が代表的です。また、カンジダなどの真菌感染症が発生する可能性もあります。これらは目に見えない微細な皮膚ダメージを介して拡がることがあり、特に免疫力が低下している方では症状が重篤化するリスクがあります。

さらに、血液を介して感染するリスクも指摘されています。肝炎ウイルス(B型およびC型)は微量の血液接触によって感染する可能性があり、HIVも同様に注意が必要です。これらのウイルスは非常に感染力が高く、適切な消毒が行われない限り、シェーバーの刃部分を介して広がる危険があります。

加えて、シェーバーの刃や内部構造は複雑で、家庭用製品では業務使用を想定した消毒プロトコルに対応していない場合が多いため、完全にウイルスや細菌を除去することが難しい設計となっています。このため、適切な消毒が行えたとしても、製品自体の構造的な制限による感染リスクが残る場合があります。以上のように、家庭用電気ヒゲシェーバーを理美容業務で第三者に共有使用することは、多岐にわたる感染症リスクを伴い、特に衛生管理が不十分な場合は顧客の健康を重大に脅かす可能性があります。

 

Q2


「社会影響」
肝炎ウイルスの感染源を特定するのは難しいと思うけど、それは逆に言えば、「日常生活の中でのヘアカット」において電気シェーバーが使用されたと認識しているお客様が、肝炎ウイルス感染を発覚させた場合に、「もしかして」「もしかしたら」という憶測が広がって、大きな社会現象につながる可能性があるということ。この点について、どのように考える?
 
AIによる回答

感染者発覚と社会的波及効果として感染が確認された際、感染源が不明であっても、感染者が「ヘアカットの際に電気シェーバーを使用された」という記憶を持っている場合、それが感染リスクと関連づけられる可能性があります。この状況をきっかけに、メディアやSNS上で「理美容店での衛生管理が不十分なのではないか」という懸念が広がり、結果として電気シェーバーやその使用に関わる業界全体に対する不安が高まるでしょう。

「もしかして」「もしかしたら」の連鎖科学的根拠がないまま、「理美容店でのシェーバー使用が感染源かもしれない」という憶測が広がることで、社会不安が助長されます。この「もしかして」という感覚は、感染源の不明確さゆえに拡大しやすく、特にSNSの普及した現代では、瞬時に拡散する可能性があります。その結果、理美容店やシェーバー製造メーカーへの不信感が高まり、顧客離れや経済的損失を招く可能性があります。

「理美容業界全体への影響」プロユースの電気シェーバーを推奨するメーカーやその製品を使用する理美容店が批判の対象となる可能性もあります。「衛生管理が十分でない理美容店」というイメージが業界全体に波及することで、店舗運営や顧客対応にも影響が出るでしょう。

「業界団体や公的機関の対応」この問題が社会現象化すれば、厚生労働省や業界団体が「理美容店における衛生管理基準の強化」を促す動きが出る可能性があります。それに伴い、理美容店やシェーバー製造メーカーには、明確な衛生管理対策や基準適合性を説明することが求められるでしょう。

「シェーバーメーカーへの責任追及」仮に感染源が特定されなくても、「構造上の問題」や「適切な衛生管理ガイドラインが欠如していた」という理由で、シェーバーメーカー側が批判を受ける可能性があります。特に、製品説明書や広告が「衛生管理への配慮が不足している」と解釈される場合、この傾向が顕著になるでしょう。

 
結論
このような社会現象が発生する可能性を軽視することは危険です。理美容店やメーカーが事前に適切な衛生対策を講じ、感染症リスクに真摯に対応する姿勢を示すことが、業界および顧客の信頼を守る鍵となります。また、万が一の事態を防ぐために、適切な啓発活動や業界全体での規範づくりが不可欠です。
 

Q3


「業界責任」
電気シェーバーの共用による感染リスクを知りながら使用していた日本の理美容師への責任追及や、使用を推奨したヘアスタイル講習会の講師や主催者、店主組合・研究団体などの組織への責任追及はどのように予想される?
 
AIによる回答

「理美容師個人への責任追及」
理容師法や衛生管理基準に基づく消毒や清掃が不十分であった場合、理美容師個人が「職業倫理を欠いている」として非難される可能性があります。特に、感染者が発生した場合には「感染リスクを認識していながら使用を続けた」と見なされ、法的責任が追及されることも考えられます。また、感染リスクのある器具を使用していた事実が広まることで、顧客からの信頼を失い、営業が困難になることが予想されます。一部の理美容師は「メーカーや講習会の指導を信頼していた」と弁明する可能性がありますが、国家資格を有する専門職である以上、「自己判断でリスクを回避すべきだった」と批判される余地が残ります。

「講習会講師・主催者への責任追及」
講習会で「このシェーバーは業務用使用しても安全」と誤解を与える内容を講義した講師がいた場合、その専門性や倫理観が疑われると共に責任を追及される可能性があります。特に、感染症対策を軽視するような指導内容が公になると、講師としての信頼が失墜し、活動が困難になることもあり得ます。さらに、講習会の主催者も感染リスクを考慮せず、安全性が確認されていない器具の使用を指導していた場合、「感染リスクのある器具を推奨した」として非難される恐れがあります。この場合、主催者が安全性の確認を怠っていた事実が明らかになれば、信頼を失い、所属団体や主催者自身が存続の危機に直面する可能性もあります。

「店主組合や研究団体への責任追及」
店主組合や研究団体など、業界を代表する組織が衛生管理基準や電気シェーバー使用の安全性確保に向けた指針を提供していなかった場合、「組織としての管理体制が不十分だった」として批判される可能性があります。特に、安全性が確認されていない器具を推奨・使用するフェードカットや訪問理美容サービスを主催していた場合、組織全体の信頼が低下し、加盟者の減少や活動の制限が予想されます。また、「理美容業界全体の衛生管理体制が不十分である」というイメージが広まり、業界全体が社会的批判の対象となる恐れもあります。

「情報隠蔽と不誠実な対応が招く信頼喪失のリスク」
理美容師、サロン、理美容組合や研究団体が、電気シェーバーの共有による感染リスクを軽視してきた事実を、急遽隠蔽しようとしたり、態度を一変させて非難の告知を行う、または過去に主催した感染リスクのある講習会の履歴を削除しようとする行動は、現代のSNSやオンライン上で情報が記録され続ける時代には逆効果です。このような不誠実な対応が広まれば、組織や団体の信頼性が大きく損なわれるだけでなく、業界全体への批判を招きかねません。信頼回復には、誠実で透明性のある対応が欠かせないことを認識する必要があります。

「法的責任の可能性」
感染者が出た場合、被害者が理美容師、講習会講師、主催者や組織、さらには製造メーカーに対して損害賠償請求を行う可能性があります。この場合、複数の責任主体が連帯責任を問われることもあり得ます。また、理容師法や公衆衛生法に基づき、行政指導や営業停止処分が課される可能性があります。さらに、感染リスクを認識しながら営業や講習会を続けた個人や団体は、過失致傷などの刑事責任を問われる場合も否定できません。

「業界全体への影響」
こうした問題が発生した場合、業界全体で衛生管理基準が見直され、より厳しいガイドラインが導入される可能性があります。また、「理美容業界は衛生管理が甘い」というイメージが広がれば、顧客離れや信頼低下が進むことが懸念されます。

 

Q4


「専用除菌スプレー使用」
専用除菌スプレーをヘアシェーバーに吹きかけて「消毒」と正規代理店などで紹介していますが、肝炎など血液感染症リスクを踏まえた理容店での業務使用に対してはどうか?
 
AIによる回答

結論から申し上げますと、こ専用除菌スプレーは“家庭用”または“個人利用”には一定の衛生的効果が見込めるものの、理容店などで第三者(お客様)に使用する「業務用器具の消毒」としては不十分であると判断されます。

・肝炎ウイルスなどの血液感染症への有効性が明示されていない

業務用の器具に求められるのは、HBV(B型肝炎)・HCV(C型肝炎)・HIVなどのウイルスに対する不活化(消毒)効果です。しかし、この製品の成分を見る限り、それらに対して「効果あり」とする科学的根拠は明記されていません。

表示成分には界面活性剤や防腐剤に該当するもの(セチオールHE、プロニドクスL、安息香酸など)は見られますが、グルタラールや法定消毒濃度の エタノールなどの高水準な消毒成分は含まれていません。これはあくまで「表面の軽度な菌対策」であって、血液・体液が接触する器具の処理には不向きです。

また、法定濃度エタノールスプレーは鋏やトリマーには有効としても、シェーバーや剃刀には血液感染症リスクの面からも業務使用としては不可です。

【背景】
単純な二枚刃構造のトリマーに対して複雑な構造をもつ理容店でのシェーバーの使用は、お客様の頭皮に直接接触し、微細な出血を伴うこともあるため、「剃刀」と同様に血液感染リスクが想定されます。したがって、その器具の消毒には医療レベルに準じた高水準な消毒工程が必要です。

また、「刃を取り外さずにスプレーだけでOK」とされる製品の多くは業務使用に耐えられる根拠が示されていない場合が多く、理美容師が「これで消毒した」と判断して業務使用することは、お客様に対する安全配慮義務違反となる可能性があります。

 

結論


理美容師や業界団体の責任が問われる可能性が高いですが、これを防ぐためには、「メーカーが衛生管理に関する明確な指針を示していたか」が重要なポイントとなります。ただし、日本の理美容師は国家資格を有する専門職であるため、製品使用に関して自己判断の責任が問われる場面も想定されます。このような状況により、業界全体の信頼性が危機にさらされる可能性があります。
 
▶︎ あなたもぜひ、AIに聞いてみてください。「“理美容師が使う電気シェーバー、感染症リスクはありますか?”」→ その答えが、社会の見えない現実を照らします。
 
「フェードカットが美しい技術であるために、見えない刃の衛生が、見える信頼となる──それが、私たちの出発点です。」

 

電気シェーバー業務使用考察

第1章 シェーバーの構造とリスク

フェードカットに用いる「電気シェーバー(ヘアシェーバー。以下シェーバー)」と、一般的な「トリマー(0.1mm〜対応)」は、構造と皮膚への影響が異なるものになります。
 
トリマーは固定刃(stationary blade)が皮膚に接触し、可動刃(moving blade)が毛髪を切断する構造になります。
 
一方、シェーバーは固定刃を持たず、代わりに薄い金属網(スリットガード)が皮膚に直接接触し、その内側で可動刃が動作する構造になります。
 
この金属網は皮膚に押し当てられるとわずかに変形し、毛穴を広げるように作用しながら毛髪を押し出し、可動刃で0.1mmトリマーよりも短い「皮膚面0mm以下」で切断できる仕組みになります。
 
これはシェービング技術でいう「添え手」に近い動作になり、結果として皮膚表面の角質や微小な皮膚損傷を伴うことになります。
 
したがって、シェーバーはカミソリ(シェービングに使用する剃刀)と同等の感染症リスクを伴う器具として扱う必要があり、お客様ごとの厳密な衛生管理(カミソリと同等の管理)が必須になります。
 
また、フェードカットに使用するシェーバーは、ヒゲ用よりも内部構造を単純化したヘア用製品もありますが、刃先が鈍刃となっているため肌にあたった際の負担が大きくなります。
 
このため、特に血液感染症に対する対策が重要になります。
 
加えて、シェーバーはメーカー自身が「家族を含めて第三者との共用使用を禁止」と明記しています。
 
一方で、トリマーは家庭用として家族間のヘアスタイル調整用に販売されている製品も多く、この違いが両者の構造的特性と感染リスクの差を表しています。
 
本来、理容師の先人たちは電気シェーバーを使用せずに0.1mmトリマーもしくはカミソリで剃り、ハサミで刈り上げの色彩をつなげていました。そのため、現在でもフェードカットにおいてはカミソリによるフェード(徐々に消えていくようにぼかす処理)が基本となります。
 
また、頭皮にカット用レーザーを使用した場合もカミソリと同じ感染症リスクを伴うため、同等の衛生管理が必要になります。
 
対照的に、トリマーは固定刃で皮膚を押さえつけながら可動刃で毛髪を切断する構造のため、皮膚表面を削るリスクは理論上少なくなります。
 
同様に鋏も皮膚に直接接触しないため、お客様ごとの使用毎に理容師法定濃度(76.9〜81.4%)アルコールでの消毒を基本とすれば十分とされることになります。
 
ただし、トリマーであっても固定刃の前方に可動刃を突き出す改造や、刃を立てて皮膚に押し付ける誤使用は、皮膚損傷と感染リスクを増大させることになりますので注意が必要になります。
 

結論


フェードカットに使用するシェーバーは、ハサミは無論のこと、トリマーとも構造・作用が異なるものになります。そのため、使用状況や感染症リスク、そして衛生管理の基準もカミソリとして扱う必要があります。
 

第二章 シェーバーの衛生管理

前章で述べたように、シェーバーはトリマーに比べて内部構造が異なり、ヒゲ用よりも単純な構造にしたとしても、可動刃が金属網目から出た皮膚に直接触れ、皮膚表面を削っています。これは内部に皮膚片が残っていることからも容易に想像でき、個人使用であっても感染症リスクを伴います。
 
それ故に、個人使用にとどまらず、家族を含む第三者、ましてや不特定多数の人に対する「業務使用」で共用することは、大きなリスクになります。
 
だからこそ、開発製造メーカーは取扱説明書に「家族を含む第三者への共用使用は感染症のリスクがあるので禁止」と明記していると考えられます。
 
また、介護施設においても、要介護者に対して職員がシェーバーでヒゲを処理する際には、厚生労働省から「シェーバーは要介護者ごとに専用のものを使用すること」と注意喚起がされています。これは、限定的な介護現場においてさえ個別使用が必須であることを意味しており、不特定多数が利用する理美容室での共用がいかに危険であるかを示しています。
 

業務使用における前提


シェーバーを理美容室で業務使用するにあたっての前提は「お客様毎に衛生管理処理をすること」です。
 
何もせずに数人のお客様に対して同じシェーバーを使用することは、HIVや肝炎ウイルスなどの血液感染症に対して被曝リスクを著しく高める危険な行為になります。
 
シェーバーの内部に残留した皮膚片や体液には、ウイルスや細菌が含まれる可能性があります。
 
特に肝炎ウイルス(HBV・HCV)は、わずか0.00004ml(1滴の10万分の4)程度の血液でも感染する可能性があり、乾燥した血液中でも数日〜数週間活性していることが報告されています(国立感染症研究所データより)。HIVについても、乾燥した血液で数時間〜数日間は感染性を保持する可能性が指摘されています。
 
このようなデータは、あくまでも説にすぎない面もありますが、業務使用する際には「最悪」を想定して判断する必要があります。したがって、器具内の微量な残留物であっても感染源となり得ます。
 
シェーバーでカットされたヒゲは、非常に微細な粉末状になりやすいという特徴があります。
 
ヒゲそのものの太さは約50〜100µm(0.05〜0.1mm)であり、シェーバーでのカット長さは0.1mm以下、場合によっては0.05mm未満にまで短くなることもあります。その結果、50〜100µm × 50µm程度の微小片となります。
 
乾燥するとほこり状になり、内部に蓄積するだけでなく、エアダスターなどで吹き飛ばした際には容易に飛散して空気中を漂い、お客様など周囲の人や施術者自身が吸い込むリスクがあります。
 
この微小片には皮脂や微量の血液が付着している可能性があり、感染症リスクを一層高める要因となります。
 
シェービングに用いるカミソリは施術工程で石鹸や水分に触れるウェット環境のため、皮膚片の蓄積リスクは少なくなります。しかし、シェーバーのようにドライ環境で使用する場合は残留リスクが高まり、衛生管理の重要性は一層高くなります。
 
器具をお客様ごとに消毒することは、理容師にとって職業倫理であり、理容師法第12条(消毒の義務)にも明記された責務です。お客様毎に鋏を含めた器具の管理を何もせず使い回しているのであれば、それはもはや理容師ではないと言わざるを得ません。
 

洗浄と消毒の違い


シェーバー本体が「液体に浸漬可能か否か」という点も重要です。しかし「電動式」である以上、完全な耐浸水性を備えた製品はなく、この点で浸漬消毒には不向きな構造になっています。
 
家庭用シェーバーの中には「流水洗浄対応」とされる製品があります。流水洗浄、特に洗剤を使用する工程は感染症対策において有効なプロセスの一つです。しかしこれはあくまでも「家庭における個人使用」を想定したものであり、国家資格者である理容師・美容師が使用する器具に義務付けられている理容師法定消毒の基準を満たすものではありません。
 
したがって、流水洗浄対応だけでは業務使用には不可とされます。製造販売メーカーが説明書に「家族を含む第三者共用禁止」と明記しているのも、構造的・衛生的限界を踏まえてのことです。
 
身近な例で言えば、洗剤と流水で洗う工程を持つ歯ブラシでさえ、家族間や第三者で共用することはありません。口腔内という閉鎖空間を介する感染リスクに対して、常識的に「気持ち悪い」と感じて避けるのと同じです。
 

専用除菌剤とその限界


シェーバー用の専用除菌剤製品も市販されていますが、製品のSDSによると、その成分は「イソプロピルアルコール:10〜30%」「2-ブトキシエタノール:1〜5%」です。
 
一般に、ウイルス(特に肝炎ウイルスやHIVなど血液媒介病原体)を効果的に不活化するには、この濃度では十分な感染対策にはなりません。このスプレーを吹きかけて「消毒」とする方法は、感染症対策として不十分であると考えられます。
 
仮に理容師法定濃度のアルコールであっても、シェーバー内部の汚れをガス圧で吹き飛ばす清掃プロセスは、噴射圧力が強いほど皮膚片の飛散範囲が広がり、周辺の人や作業者自身がそれらを吸い込むリスクがあります。よって、吹き飛ばしは一般的なスプレー程度に留めるべきです。
 

浸漬消毒の重要性


シェーバーにおける消毒プロセスでは、カミソリと同様に浸漬工程が最も重要です。これは金属網(スリットガード)と可動刃だけでなく、内部モーターと連動している支柱、機械部位(モーターやバッテリー収納区域)との仕切壁なども皮膚片や体液にさらされているからです。ヒゲ用よりも可動刃構造を単純化したヘア用であっても、このリスクは変わりません。
 

専用カートリッジシステムの特性


家庭用シェーバーには、独自の専用高濃度アルコールによるカートリッジ式浸漬システムを搭載した製品があります。これらはシェーバーを逆さに設置し、上部区域を浸漬させ、さらに可動刃や支柱を動かした稼働状態で洗浄するもので、家庭用としては非常に高い衛生管理システムといえます。
 
しかし、これらの製品であっても「家族間を含む第三者共用使用禁止」と取扱説明書に明記されており、業務使用は想定されていません。
 
また専用カートリッジ内のアルコールは94%と高濃度で、これは水分による内部腐食リスクを避けるための調整と考えられます。個人使用としてであれば十分な消毒効果を発揮し、問題は全くありません。
 
ただし、業務使用では理容師法定濃度(76.9〜81.4%)が適用されるため、内容物を入れ替える必要があります。その時点でメーカー保証外となり、自己責任での対応になります。この環境で可動状態のまま10分間浸漬することによって、ようやく消毒プロセスとして成立します。
 

業務使用における適正プロセス


業務使用においては

  • 1. 使用後の洗剤を用いた流水洗浄プロセス
  • 2. 上部区域の理容師法定濃度アルコールへの10分間浸漬消毒プロセス

 
この二つを「お客様ごと」に必ず行わなければなりません。「たまにやる」「営業最後にやる」という対応では適正とは言えません。
 
これを怠ることは、HIV・HBV・HCVといった血液感染症を顧客に曝露させる重大なリスク行為であり、理容師法違反かつ職業倫理に反するものになります。
 
さらに浸漬中はシェーバーを稼働状態にする必要があります。
 
また、上記でも述べたようにこれらの工程は開発製造メーカーの想定外のものであり、製品保証適用外となるため、使用する理容師、美容師の責任になります。
 
ただし、理美容師向けとして販売されている製品に関しては、販売者及び普及者(講師、講習会主催者)の責任も発生することになります。
 
そして、このプロセスをお客様毎に確実に実施すること自体、現実的には非常に厳しいのが実情です。
 
そのため、「消毒をしている」と言い切る対応の大半は、施術者が独自に解釈した方法による自己満足的な工程にとどまっており、結果としてお客様は感染リスクに晒されているのです。
 
したがって、仮にシェーバーを業務使用するのであれば、厚生労働省が介護施設に通達している方式に準拠し、「お客様個人に割り当てられた専用シェーバーによる施術」しか方法はありません。
 

結論


シェーバーは、構造的に皮膚損傷を伴い内部に皮膚片が残留しやすく、家庭用でさえ第三者共用が禁止されている器具です。
それを理容室で不特定多数に共用する場合、「お客様毎に」徹底した洗浄・消毒をお客様ごとに行う必要があります。

このプロセスを省略することは、重大な感染症リスクを顧客に与える行為であり、社会的責任・法的責任の双方を問われる結果となります。

フェードカットを利用されている方へ


適切にお客様毎の衛生管理が行われた「ハサミ」や「トリマー」で仕上げるフェードカットは、安心して受けられる安全な施術です。
 
ただし、「シェーバー」「カミソリ」「カット用レーザー」を使用しているサロンであれば、業務における衛生管理や適正プロセスがどのように実施されているのかを、担当者に確認する、または自身の目で確かめることをお勧めします。
 
もしアルコールスプレーを軽く吹きかけるだけで「消毒完了」としているようであれば、その担当者の衛生管理への考えを問いただしてみてください。
 

川越会場:BASIC-01講習/受講受付

受講資格:新規・修了者(再受講)
時間:6時間(休憩含)

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理容業界における「衛生コンプライアンス」

compliance(法令遵守): 意味としては厳格に法律を守ることを意味します。業としては法令遵守は最低限の事とし、「公衆衛生業」としての背景にある法の精神や社会良識・一般常識といった「社会規範」を守る事を含めた「業界倫理」という意味になります。企業におけるコンプライアンスにおいては「企業倫理」が相当します。
 
「法令遵守(じゅんしゅ)」を最低限とするのは、仮に法律に違反していなくても、利便性を重要視したり、法の抜け穴をかいくぐるような行為が表沙汰になれば非難が殺到し、法令違反を犯したのと変わらない影響を受けることが十分に予想される時代になりました。
 
法令消毒遵守を基本とし、その法定消毒システムを効率的にする理容業における弱酸性次亜塩素酸水フィリオ30の500ppm(参考資料チャート表を参照)洗浄を使用した消毒システムを含む「複合消毒システム」におけるシステム・衛生倫理・活動を「衛生コンプライアンス」とします。
 
企業の中で、法令や倫理を遵守する仕組みを作る場合、その仕組みのことをコンプライアンスプログラムと呼ぶことがあります。「複合洗浄消毒システム」においては、「衛生の理解と知識」「衛生消毒システムの構築」「継続させる為のコスト管理」などの三つの分野が含まれ、「複合洗浄消毒システム」におけるプログラムとしても機能いたします。

企業の中で法令遵守の仕組みづくりをする場合、それを「コンプライアンス体制」と呼ぶ事があります。具体的には、コンプライアンスオフィサーと呼ばれる責任者を設け、その責任者のもとでコンプライアンスプログラムを機能させます。理容業においては、企業における「コンプライアンスオフィサー」こそ「管理理容師」であり国家資格となります。国家資格における「衛生コンプライアンス」は、理容業界の大きな特徴であります。

昨今、従来のマスコミに加え、TwitterやSNSなどの情報発信手段が発達した今日ほど不法行為や違法行為をする企業・業界は、消費者からも社会からも信用を失います。
 
その時の世論から、自店を守るのも重要性の一つと考えます。
 
企業にすれば消費者・投資家からの信用をなくし、株価が下がります。個人店においては、経営破綻へ追い込まれる状況になるのは間違いありません。理容業界においても、御客様に技術的信頼を得て支持されてきていたフラッグシップ的な店舗で発覚した場合、業界全体への影響は壊滅的であることも意味しております。
 
仕事の効率性とファッション性を重視し、公衆衛生業として相応しくない態度「シェービング時のマスク未装着」「店内感染対策への未対応」など、行政の指示に従わないような店舗・技術者の態度のことを、ノンコンプライアンスといいます。
 
国産品を強調して安全性の差別化を図る他業種のように、法規上の格差がないとされる衛生管理においても、ノンコンプライアンスとの差別化を内外に発信する時代かと思われます
 
決して排他的な発信ではなく、全体への衛生意識の引き締めの一貫した態度表明であり、公衆衛生業として御客様・技術者のみならず家族への安全という事が個々の理容店に浸透してこそ、衛生コンプライアンスは機能します。
一般における理美容店における店内感染とは、技術者から御客様へ感染を意味します。一部業態によっては、共有する器具やシステムからアタマジラミ・白癬菌のような店内感染や、布革製のシザースバック営業使用における同様の店内感染などが発生しておりますが、それは一般的な理容店業態ではありえません。これらは使用した道具を媒体とした店内感染になりますが、現行消毒法でも遵守下であれば、道具から御客様への感染は未然に防げると思います。但し、血液汚染された道具類に関しては複合的な洗浄消毒システムが必要です。
 
問題は、御客様から技術者への店内感染です。結果として技術者から御客様への感染に繋がるだけでなく、技術者の家族や生活まで脅かす事だからです。従来の理容業における「消毒」とは、御客様が全てでした。しかし、新しい観点として日本衛生管理協会は理容業を生業とする理容師のための「消毒システム」としてフィリオ30を使用した「複合洗浄消毒システム」を推奨し、その思想は「衛生コンプライアンス」として、地域と御客様へ還元できると考えます。
 

初めに

 日本における理容店、そして美容店は、生活衛生業種に属しています。かつては環境衛生業といわれ昭和32年に公布された「環境衛生関係営業の適正化に関する法律」、いわゆる「環衛法(現生衛法)」の下で公衆衛生の維持向上を担ってきました。 私たちが提唱する理容師憲章「私たち理容師は、理容師法第一条に則り 国民生活の衛生と安全を守るために存在する」という理念も、理容師法第一条第一項「この法律は理容師の資格を定めると共に 理容師の業務が適正に行われるように規律し、もって公衆衛生の向上に資することを目的とする」という法律に裏打ちされています。
 
80年に世界を襲ったエイズ渦を契機にウイルス性感染症への対策が進み、HBV、HIVに対応できる消毒法の確立に向けて研究を重ねました。理容師法施行規則が改正され、消毒用エタノール、塩素系消毒薬が加わりましたが、これまでの塩素系は金属腐食を起こすため思うように使用できませんでした。今回、提唱するフィリオ30は、その欠陥をクリアし、なおかつ広汎な消毒が可能になるものです。
 
さて、この理美容店における消毒システムの考察について述べる前に、理美容師として最低限守るべきことをまず述べておきましょう。
 

1・お客様毎の手洗いをしない?

 お客様毎に手を洗うことは非常に大切です。本来、店舗内に手洗いがない施設は理美容店とはいえないのですが、それが大手を振って営業していることに一体、理美容師法はどうなっているのかと疑問を持っています。インフルエンザの感染防止に手洗いの徹底が叫ばれるのも、手についたウイルスが口から入るからです。ファーストフード店の入り口に手洗いを設置したら、かなりの感染を防ぐことができるでしょう。手というものは何でも運ぶことができます。ウイルスもバクテリアも他の病原体も運んでしまうのです。
 

2・シザースケースを使用する?

 近年、流行しているシザースケースですが、布や革などで作られたケースに鋏や櫛などを入れておくことは保健所では不許可とされています。作業毎に鋏などを消毒したとしても、布などに白癬菌などをはじめとする細菌類が店内感染を起こす可能性があるからです。
 

3・シェービング時にはマスクをしない?

 シェービング時のマスクを嫌がるお店が増えています。おそらくファッショナブルではないことに起因しているのではないかと思いますが、お客様側から見たらどうでしょう。毎年流行するインフルエンザへの危機感は募るばかりです。マスクをすることで信用が高まると思いませんか。実際、飛沫感染や呼吸時における空気感染の危険性があるのです。インフルエンザウィルスや結核菌などの感染を防ぐために、マスク装着は保健所にて義務付けられているのですから。
 

4・シェービングにゴム皿を使う?

 剃刀の泡を取るものは、使い捨ての紙にしてください。ゴム皿やスポンジなど使い回しできるものは、劣化した割れ目などが菌やウィルスの温床になる危険があります。消毒液など用いても、消毒は不完全なままです。
 

5・血液負荷タオルの分別管理をする

 血液が付着したタオルは、別に管理しなければならなりません。そのまま洗濯機などに入れてしまうと、他のタオルも感染源になってしまいます。血液の付着があるタオルは必ず専用容器にて保管してください。
 
 情報過多の時代、業界において衛生に対する姿勢が問われる事象が起きたと仮定しましょう。その時に、上記の行為は社会に姿勢を判断される踏み絵的な要素になり、それは好奇な目で情報社会に曝されることになります。それは普段の営業の中、お客様という社会の目の前で行われている判りやすい行為だからです。だからこそ、そこには言い訳もできません。優れた作用の消毒剤や消毒器やシステムも裏方的な行為であり、最低限のルールが守られてこそ成り立つのです。そこには高級店も低料金店も、組合員店も員外店も関係はなく、ルールの上にのみ成り立つと考えなければなりません。これは、理美容師という国家資格を有する業界という視点で見なければならないのです。
 

・フィリオと複合消毒について

 
複合消毒システムにおける洗浄消毒には、フィリオ30という緩衝生成法による高濃度500ppmの弱酸性次亜塩素酸水を使用いたします。フィリオ30の性質と、複合消毒において使用する理由は下記「・塩素系消毒剤について」にて他生成法のものと共に述べさせて頂きます。理美容店においては法定消毒が義務づけられています。「複合消毒システム」は法定消毒薬でもある塩素系消毒薬に属するフィリオ30(原液500ppm)を用いた「洗浄消毒」というプロセスと共に、法定消毒を尊守することで互いに効果を発揮するのです。システムは洗浄消毒として「第一次洗浄消毒」、そして法定消毒を消毒作用/目的毎に別けて「第二次基礎消毒」「第三次保管消毒」と、より公衆衛生としての現場を意識した複合的なプロセスで成り立っております。


まず洗浄消毒というプロセスの意味としては、第二次基礎消毒の効果を高めることにあります。消毒対象物に付着した血液、汗などや、細菌/ウィルスなどの有機体を洗浄し、第二次基礎消毒へ繋げる事が目的となります。その結果、基礎消毒で使用するエタノールなどの作用効果を高め、その溶液内の汚染を最小限にするものとする事となります。この場合の「洗浄」とは、有機体の蛋白質をフィリオ30の作用により分解してしまうことを意味し、流水によるものだけではありません。補足になりますが、医療現場でも使用されるグルタラール消毒薬は、厚生労働省により「対象物を60分以上流水にて洗浄してから浸漬する事」とされております。これを怠ると、薬液作用により細菌/ウイルスの外層蛋白質を硬化させてしまい、その後の消毒作用に大きく影響を与えるからです。結果的に浸漬容器の消毒液内は汚染され、消毒液内における二次感染を引き起こす可能性があります。そのような事からも、理美容店においても洗浄消毒は大変重要な意味を持つと考えております。
 
フィリオ30の原液500ppmを「危機管理濃度」として使用し、対象物の血液負荷状態を想定しています。血液を想定するという事は、蛋白質汚染であり、その先には汗なども含まれると考えてください。対象物の使用状態/目的により100ppm(五倍希釈)を「衛生管理濃度」、50ppm(十倍希釈)を「衛生環境濃度」として、水で希釈して使用いたします。「衛生管理濃度」「衛生環境濃度」は、対象物へ直接噴霧して使用いたしますが、危機管理濃度として500ppmの原液を使用する際に、システムの特徴として「ティッシュペーパー」を使用する事にあります。実際の作業を例にいたしますと、まず使用済み剃刀を流水で洗浄をします。その後、剃刀をティッシュペーパーで挟むように包み込み、フィリオ30を満遍なく十分に噴霧します。放置後に、ティッシュペーパーで余分な水分を拭き取り後に廃棄して、剃刀は第二次基礎消毒「エタノール溶液浸漬」へ移行となります。多枚刃などの剃刀でも、挟んだティッシュペーパーに満遍なく十分に噴霧する事により、対象物に次亜塩素酸が密着して浸漬効果となります。放置後の剃刀などについた水分をティッシュペーパーで拭くことができ、作業工程も容易となるわけです。従来は水分を拭く作業には清潔な布などが指定されておりましたが、ティッシュペーパーであれば使用毎の使い捨てとなります。ウェットティッシュよりもコストは安くなり、使用するフィリオ30も平均5cc程で済む為にコスト的にも優れております。容易な事とコストは営業形態問わず重要な事であり、継続性に繋がるシステムといえます。
 
第二次基礎消毒は、法定消毒に準じます。ただし、細菌/ウイルスに対する消毒効果が高いものだけとしております。基礎消毒としては「エタノール溶液」「塩素系消毒剤(次亜塩素酸ナトリウム:塩素系漂白剤)」「煮沸消毒」によるものとし、濃度/作用時間/使用条件は法規に従います。「エタノール」は細胞/ウィルスの脂質二重膜などを効率良く浸透し、内部作用する76.9%から81.4%溶液に10分以上浸漬させます。「次亜塩素酸ナトリウム:塩素系漂白剤」消毒法においては血液付着により使用濃度が変わります。塩素系消毒薬においては、下記で参照してください。「煮沸消毒」は沸騰後二分とありますが、HBVガイドラインにおける15分以上とさせていただきます。
 
第三次保管消毒も、法定消毒に準じます。ただし、HBVなどの不活性化作用が認められない(疑わしい)と考えます「逆性石鹸」「流通蒸気消毒」「紫外線消毒」は、消毒済器具の衛生保管と維持を目的としております。「逆性石鹸」は、陽イオン界面活性剤です。細胞膜を構成するリン脂質は周囲の陽イオンや水とバランスを保って存在しておりますが、大量の陽イオン界面活性剤によりバランスが崩され、細胞膜は崩壊してしまいます。結果的に、細胞膜を失った細菌は、溶菌となるわけです。しかし、細胞膜を持たない「ウイルス」には原理から考えても効果がないなど、消毒対象範囲が狭い事から消毒済器具の保管液として使用します。「流通蒸気消毒」とは、理容店におけるスチーマー(蒸し器)です。ホットタオルウォーマーではないので注意してください。80度以上の蒸気に10分間とありますが、やはりHBVの不活性化が難しい環境下である為に、消毒済タオルの衛生保管器として考えます。「紫外線消毒」は紫外線消毒器です。20分以上の照射と定めており、理美容店の業態によってはメイン消毒器として使用している場合もあります。照射面のみしか殺菌効果が無く、20分という対象器具の放置時間を考えますと、紫外線消毒器単体による細菌やウイルスの店内感染を防ぐ事は不可能となります。「紫外線により殺菌された衛生的空間」に消毒済器具を保管する、として複合消毒システムでは保管器として考えます。
 

・塩素系消毒剤について

塩素系消毒剤の主成分である次亜塩素酸においては主に次亜塩素酸イオンOCl-として存在しますが、溶液のpH(H水素イオン指数)によって溶液中の水素イオンが増加~酸性に傾くと非解離型次亜塩素酸HClOへとなります。非解離型はpH6.5弱酸性域で多く占め、その割合は約98%になります。非解離のほうが消毒力も酸化力も強いので、この状態にする為に幾つかの生成方法があります。
 
一般的なのは次亜塩素酸ナトリウムを水で薄めて弱酸性域に近づける方法ですが、生成される水溶液はpH8からpH9のアルカリ性域となります。一般的に家庭用塩素系漂白剤を使用しますが、同じ塩素系漂白剤でも数種類あります。それは「メディカル」「病院用」「家庭用」「台所用」の種類です。「メディカル」は本来の消毒剤としての製品で、医療用として理美容師では購入する事ができません。「病院用」「家庭用」は理美容室で使われるもので容易に購入でき、大きな違いはないと思われます。「台所用」は洗浄成分が加えられており、保健所によっては使用が認めらていない場合があります。家庭用漂白剤原液の場合はpH10で次亜塩素酸イオン99.7%、非解離型次亜塩素酸(以下 次亜塩素酸分子)は0.3%という比率となっております。理容店における消毒法において通常は0.01%水溶液での浸漬消毒を義務付けられておりますが、血液付着時は0.1%水溶液を指定されてます。0.01%(100ppm)時はpH8.75で次亜塩素酸イオンは95%、次亜塩素酸分子は5%の比率となります。0.1%(1000ppm)時はpH9.5で次亜塩素酸イオンは99%、次亜塩素酸分子は1%です。しかし、次亜塩素酸分子本来の強力な酸化作用をもつ次亜塩素酸分子HClOは、pHの関係で通常の0.01%溶液の方が多く存在します。よって法定消毒において塩素系漂白剤を用いる消毒とは、次亜塩素酸イオンの酸化作用(漂白)による細菌やウイルスの蛋白質分解による溶菌および不活性化作用となると思われます。塩素系漂白剤においては水酸化ナトリウムも含まれますが、pHの調整を目的として「アルカリ性水溶液中の次亜塩素酸分子は塩素を発生しない」という安全につながるために使われております。アルカリ性において汚れが膨潤、軟化するために汚れが落ちやすくなる作用は2次的な目的と思われます。注意すべきは「混ぜるな危険」との表記のように、酸性の薬液を混ぜてpH3以下になると塩素ガスが発生して危険です。またアルカリ性域においては鉄は溶液に溶け出さない為に、次亜塩素酸イオンOCl-による酸化作用により鉄表面に酸化鉄(赤錆)が付着します。その為に、理容店においては剃刀や鋏などの金属製の消毒には不向きと考えます。
 
二液式(混合式)での生成方法は、次亜塩素酸ナトリウムに酸性の塩酸や酢酸などを混ぜて弱酸性域にします。一般的に市販されている弱酸性次亜塩素酸水はこれに当てはまります。生成段階では使用する二液を混合する為、分量を間違えたりしてpH3以下になると塩素ガスが発生し危険です。さらに、二液それぞれを販売することは国は認めておりますが、混合した状態のものは「化学反応中」であるという判断から、罰則規定はないが販売は認めていません。溶液中の塩酸は、鉄と反応すると水素イオンを発生しながら塩素が鉄と反応して塩化鉄として緑色に呈色させます。そのような背景から塩酸ではなく酢酸を使用したり、製品の有効濃度自体を低く抑えたりしているものが多くなります。ちなみに、酢酸を使用して高濃度のもの生成すると独特な強い香がする為、やはり低濃度の製品が多いです。一般家庭における細菌やインフルエンザ/ノロウイルス対策として使用するには問題がありませんが、濃度などの関係から理美容店における消毒使用には不向きと考えます。二液式もしくは複合式と生成方法が製品に明記されていない場合が多いですが(薬事法規定外の為)、生成後の成分にナトリウムが含まれている製品は二液式生成法と考えて良いでしょう。
 
電解式での弱酸性域の生成方法は、塩化ナトリウムもしくは希塩酸を電気分解して次亜塩素酸分子を生成するものです。塩酸と水を電解した場合、塩酸が水素、塩素イオンに分解されます。そして塩素イオンが水と反応して次亜塩素酸分子となり、水素はガスになります。ただし、非常に不安定で経時変化/紫外線で分解されてしまうために、生成器からでた弱酸性次亜塩素酸水をボトリング保存後に使用するには向きません。また分解速度は濃度が高くなるほど、早くなる傾向にあります。製品として販売されている場合もありますが、容器に製造年月が記載されているか否かが重要な事になります。厚生労働省(食品)が認めている弱酸性次亜塩素酸水pH 2.7から5.0、有効塩素濃度 10から60 mgこれはあくまで食品における消毒に限られている為(大量調理マニュアル)低濃度であると考えらますが、これをそのまま理容の消毒法には「厚生労働省が認可した」とすり替えてしまうのは全くの勘違いになります。理容の消毒には低濃度の10ppm~60ppmでは適しません。食品の消毒と、理容現場の血液などのタンパクや感染症によるウイルスなどの消毒を混同してはいけません。エタノールでも50%以下と76.9%から81.4%の濃度では、その殺菌作用は全く異なるように塩素系も同様に知識の上での使用が大切になります。歯科医院などでは電解生成器を導入して、生成直後の弱酸性次亜塩素酸水を消毒用に使用しておりますが、理容業界における消毒環境では濃度の面、生成器導入などのコストを考えると実用的とはいえません。理美容組合によっては業者が設置した生成器から、低濃度弱酸性次亜塩素酸水を無料配布している場合もあります。その弱酸性次亜塩素酸水は清掃や超音波加湿器などへの使用には適しておりますが、特性上早めに使用しなければいけません。濃度の関係からも、理容室での剃刀など複合消毒に用いるのは不向きとの認知を徹底することが大切となります。
 
理容店における複合消毒システムで洗浄消毒剤として使用するのは、緩衝式生成法のフィリオ30という高濃度の弱酸性次亜塩素酸水であり、国際特許出願中のイオン交換フィルターから生成されます。これはナトリウムを水素に変換させるイオン交換フィルター独自の特性によるものです。この特許出願中生成法の為に、この生成法による高濃度弱酸性次亜塩素酸水こそ、のフィリオ30(サーティー)となります。この特許生成法の為に、この生成法による高濃度弱酸性次亜塩素酸水はフィリオ30以外には存在しません。生成方法としては次亜塩素酸ナトリウムと水をイオン交換フィルターにて濾過させる事により、高濃度の次亜塩素酸水が生成されます。フィルターで不純物も濾過されるために、純度/濃度が高い次亜塩素酸水の状態になり、結果的に弱酸性域で安定いたします。フィリオ30における検査として第三者検査機関である財団法人北里環境科学センターに株式会社スカイレインボー社が依頼した結果は以下の通りです。「C型肝炎ウイルス(代替ウイルス:ウシ下痢症ウイルス)/試験有効塩素濃度414ppm/作用不活性化効果時間30秒」「血液汚染器具の除蛋白効果実験/試験有効塩素農奴330ppm/作用効果時間30秒」「血液負荷かけた芽胞菌(枯草菌)/試験有効塩素濃度330ppm/作用溶菌化効果時間1分」これら検査結果において他生成法および低濃度の弱酸性次亜塩素酸水には、次亜塩素酸分子以外の不純物が多いなどの理由で参考にはなりません。また、これから述べる次亜塩素酸分子の酸化(溶菌/不活性化)プロセスにおいても、あえて不純物の少ない高純度/高濃度500ppmの弱酸性次亜塩素酸水であるフィリオ30におけるものと考えます。
 
蛋白質を変化させる働きの酸化とは、電子を失う化学反応のことです。次亜塩素酸 分子HClOが酸として働く時には、水素 Hの電子を切り離します。この時、次亜塩素酸イオン ClO-に比べて高反応状態であるラジカル状態の一酸化塩素ラジカルClO・になることがあり、ラジカルが反応する際には、さらにお互いに引き合う為に爆発的な反応状態になります。塩素ラジカルは瞬時に反応して酸素ラジカルから離れ、塩素分子 Cl²となります。そして、酸素ラジカルは蛋白質から電子を奪い酸化させて、その性質変化および細菌やウイルスにとっての機能を停止させます。その後、水素イオンと反応して水 H²Oとなるわけです。この爆発的な酸化作用は、日常的現象に例えるとすれば燃焼反応に例えられます。
 
フィリオ30の強い消毒力と酸化力は、高濃度で存在する次亜塩素酸分子 HClOにあります。pH6域において多く存在する次亜塩素酸分子 HClOは電荷を帯びておらず、分子型であるために細菌における細胞膜やウイルスにおけるエンベロープなど、脂質二重膜を通り抜けることができるのです。ゆえに細菌やウイルス内部において、活動をする上で重要な蛋白質を酸化させて性質変化および、機能を停止させることができます。細菌においては、代謝機能を司る酵素(蛋白質)などの重要な働きをする蛋白質を酸化し変化させる為に、死にいたります。ウイルスは、寄生する細胞内で自身を複製する際に重要な働きをするヌクレオカプシドを構成する蛋白質を酸化させ性質変化および分解してしまうので、核酸を複製する事ができず、不活性化状態になります。ちなみに、アルカリ性域で多く存在する次亜塩素酸イオン ClO-などは、脂質二重膜を通り抜けられないために、表面の蛋白質を酸化させて変化させるに止まるので、消毒対象体によっては十分な効果が得られません。次亜塩素酸イオンは鉄表面に酸化鉄(錆)を付着させますが、次亜塩素酸分子の場合は鉄などに対する酸化作用は強く反応し溶出させるがゆえに、表面に酸化鉄(錆)を付着させず溶液内でも飽和状態になるために大きく進行はしません。ただし剃刀の刃(替刃)に関しては、鉄の溶出と共に刃先研ぎ面に影響が出る為に、長時間の浸漬には向きませんので注意が必要です。
 

・最後に

フィリオ30は「魔法の液体」ではありません。その特性を良く理解し、次亜塩素酸分子そのものの特性も理解しなければなりません。また「消毒」という世界も細菌やウイルス内の蛋白質の性質変化から、最終的にはその活動そのものを抑制もしくは停止させる作業です。ただし、それは我々人間にも同じ事を意味し、環境にも大きく影響します。「強すぎず弱すぎず、環境にも人にも優しい。されど容易で効率は良く、効果も大きい。」この矛盾したパワーバランスに近いのが、緩衝法という生成方法で創られた高濃度弱酸性次亜塩素酸水「フィリオ30」ではないかと思います。
 
以上が理美容店における複合消毒システムと塩素系消毒剤の概略です。理美容店は、理美容師という人が御客様という人に対して間接的、技術によっては直接的に素手で接しながら施術する仕事です。細菌やウイルスにおける空気感染、飛沫感染、血液感染など全て完璧に防ぐのは無理である環境下と言わざるを得ません。完全な衛生環境を守る事は、実は容易と思います。その方法とは、「触れるもの」「使うもの」「関わるもの」全てを使い捨てにすれば良いのです。それは極論であり公衆衛生業における「業」を否定する事になります。
 
「業」として「消毒」に大切なのは「知識」「システム」「コスト」であり、「継続」につながります。それが「複合消毒システム」であり、店内における重大な微生物・ウイルスなどのよる感染を防ぐことができると考えております。
 
店内感染は、理美容師と御客様双方の問題であり、店舗、地域、業界全体の問題へと広がります。防ぐために一番の武器となるのは個々の知識であり、知識に基づいての実行しかありません。このことは国家資格者として公衆衛生業務に携わる限り、忘れてはいけない事だと思います。【衛生は「守り」じゃない、「攻め」である。】それが複合消毒システムとしたいと考えます。最後になりますが、衛生向上活動をされている沢山の理容師/関係者の皆様の御意見を頂き、編集作成させて頂きました。
 

・公衆衛生である理美容店における複合消毒システムの考察 製作者

本文及び複合消毒システム監修・埼玉県理容師 藤井実/化学監修・静岡県理容師 丹下育也/本文監修・東京都理容師 柏原和義
 

衛生はまずは基本的な「心がけ」から始まります。いくら奇麗な御店、いくら御洒落な御店でも、保健所の認可を受けていても、衛生宣言のポスターを貼っていても、「衛生コンプライアンス」は御客様には伝わりません。複合消毒システムを導入される前に、まずはココから始めませんか?

基礎知識

・理美容室での消毒の前に知っておきたいこと。

芽胞菌以外の菌を殺すのが「殺菌」芽胞菌を殺すのが「滅菌」

芽胞菌とは、菌体内に芽胞つまり胞子をもつ細菌のこと。通常の細菌と比べて極めて高温に強く、100℃での煮沸によっても完全に不活化することが出来ない。芽胞を高温で完全に不活化するには、オートクレーブ処理(約2気圧の飽和水蒸気中で121℃15分以上)、乾熱処理(180℃30分あるいは160℃1時間以上)などの処理が必要。芽胞を完全に不活化することが可能な条件で、器具や培養液などを処理することを滅菌と呼び、医療器具の扱いや、微生物学や生化学の実験、食品科学などの分野で重要である。滅菌の技術が発達する以前には、間歇滅菌法による滅菌が行われていたが、それでも滅菌に失敗することはあり、芽胞による汚染(コンタミネーション)が問題になることが多く見られた。また高温以外にも、消毒薬などの化学物質にも耐久性を示す。 一般的な消毒薬では次亜塩素酸ナトリウムがやや有効な程度で、塩化ベンザルコニウム(オスバン液)、アルコール類等では不活化する事が非常に困難であり、確実に不活化するには最も強い消毒薬であるグルタラールを長時間接触させる必要がある。他に、エックス線にも高い耐久性を示す。        http://ja.wikipedia.org/wiki/芽胞 より参照
 

理美容室で考えうる最大の消毒対象〜肝炎ウイルス〜

B型肝炎(HBV)は3.2kbの環状の二本鎖DNAとそれを包むエンベロープ(単純ヘルペスウイルスやインフルエンザウイルス、ヒト免疫不全ウイルスなど一部のウイルス粒子に見られる膜状の構造のこと。これらのウイルスにおいて、エンベロープはウイルス粒子の最も外側に位置しており、ウイルスの基本構造となるウイルスゲノムおよびカプシドタンパク質を覆っている。)からなる。B型肝炎ウイルスは遺伝子配列の違いによって、A~Hの8の遺伝子型 (genotype) に分類される。日本はHBV-C型が多くキャリア化しやすい。一方、HBV-B型はセロコンバージョンしやすく一過性感染となることが多く、HBV-A型は最も慢性化。
http://ja.wikipedia.org/wiki/B型肝炎ウイルスより参照
B型肝炎は、B型肝炎ウイルスによって起こる、致命的となり得る肝臓の感染症です。B型肝炎は、主要な世界的健康問題で、ウイルス性肝炎の中では最も重症な型です。慢性肝疾患を起こし、肝硬変や肝がんによる死亡の危険が高くなります。世界中で20億人が感染していると推計されており、2億4千万人以上が慢性の(長期にわたる)肝臓感染症にかかっていると推計されています。また、毎年60万人がB型肝炎の急性または慢性の経過によって死亡しています。
 
B型肝炎ウイルスは、感染した人との血液と血液の直接接触や、精液や膣分泌液によって感染します。感染経路はHIVと同じですが、B型肝炎ウイルスはHIVに比べて50倍から100倍感染力が強いです。また、B型肝炎ウイルスは、HIVと異なり、人の身体の外~乾燥した血液内でも少なくとも7日間は生存することができます。この期間、予防接種を受けていない人の身体にウイルスが入った場合には、感染が成立することがあります。
厚生労働省検疫所 http://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/2012/08280858.htmlより参照
 

理美容室での衛生管理「トラッド(歴史)」は「公衆衛生」にあり。

・シザースケース(バック)
腰につける鋏や櫛などを収納するバック。コンテストやヘアショーなどでの使用は認められるが、理美容室で御客様に施術する「公衆」の現場では使用は保健所は認めていません。内部が「布(ナイロン/革)」でできているために、内部位や飾り部位に「白癬菌」(皮膚糸状菌によって生じる皮膚感染症の一つ)など感染症の原因となる菌の温床になる危険性が大きいです。また、理美容店で「店内感染」を想定すべき「B型肝炎ウィルス(HBV)」は人体から離れても、7日間は生存している事実があります。技術者にしてみれば手元に道具がある便利さはあるが、「公衆衛生」よりも「利便性を重要視」したといえます。御客様にとっては、お店の衛生管理への考え方を判断する基準になるのかもしれません。消毒といいますと「剃刀」ばかり対象になりますが、「鋏」「櫛」も対象として考えなければいけません。御客様と技術者自身の鋏による怪我、頭皮に疾患がある御客様、頭を洗わない御客様への「アタマジラミ」も含む白癬菌やウィルスの院内感染・・「鋏」は「剃刀」以上に御客様と触れる事を忘れては駄目だと思います。感染症の温床になりえるシザースベルト(バック)の危険性は無視できないと思います。
 

・シザースケース(バック)使用における考察

厚生労働省健康局生活衛生課長からの全国の保健所局長へ通達されている衛健基発0618001の書面からは、衛生管理が不適切な事例として「 施術中に器具を消毒せずにシザースケースに収納し、又はシザースケースから取り出した器具を消毒せずに収納」と具体的に書かれ、なおかつ「 シザースケースを介しウイルス等の感染の恐れがある。」と具体的に書かています。
 
「単なる腰にぶら下がっる便利な道具入れ」としか使ってない理美容師さんは、どうお考えになって使われているのでしょうか?理美容師免許は「技術」への免許ではありません。感染症対策も含めた公衆衛生業を自覚する資格なのではないでしょうか?
 
このサイトをご覧になられた御客様の立場で理美容店に行かれる方は。シザースケース(バック)を使用している理美容師さんに感染症予防策をお聞きしてみてください。もし、手術をしている医師が「手術用メス」を同じようにバックに入れていたら、どう思うのでしょうか?
 
通達書には「シザースケースを介しウイルス等の感染の恐れがある。」と書かれており、不適切な使用方法は問題外として、指摘されているシザースケース自体の問題点は
 
・皮(革)製品で、浸透性がある。
・細かな繊維面がウイルス/菌の温床になる。
・袋状(細い筒状)は刈毛などが溜まるので不衛生。
 
ならば、手元に鋏がある利便性があるシザースケースを国家資格者として取り入れるには「衛健基発0618001」という書面にヒントがあると思うのです。
 
・皮(革)製品じゃない素材。
・繊維素材じゃない。
・袋状(細い筒状)でなく刈毛などが溜まらない。
・撥水(不浸透性)素材
・鋏や櫛との触れる面積が少ない。
・余計な飾りやポケットなどがない簡易的構造。
・洗浄(清掃)が容易に可能。
 
シザースケース(バック)を制作販売しているメーカーも、この対策を考え始めております。もし、上記条件をクリアしている製品がございましたら教えてください。このサイトでもご紹介したく思います。

理容師においては「マスク装着」は理容師法下では「シェービング施術という対面接客時」におきましては「義務」です。そして、コロナ禍を経た社会では「常時装着」がスタンダードプリコーションの観点からも通常になるかと思います。また、その際に装着するマスクは「花粉・飛沫対策」などの非医療用ではなく、血液被曝なども考慮したサージカルマスク(医療用)を選択することが重要になるかと思います。
 
理容店におきましては理容師法下では「シェービング施術など対面環境」において「マスク装着は義務化」とされておりましたが、「施術者」と「お客様」の「相互感染予防」として施術者は背面接客時でも常時装着使用をすることをシステムといたします。
 

▶︎感染症防護マスク(医療用)

・Medical(医療)用

米国ASTM(米国試験材料協会)/欧州EN14683規格で医療用マスクの素材条件を定めており、それが基準になります。そして従来日本においては「マスクに対する規格や基準が定められていませんでした」が、 2021年6月16日に医療用マスクに関する日本産業規格(JIS)が制定され、性能によるクラス分けが明確化されました。 試験方法の標準化を図り、一定の性能基準を満たしたマスクを流通させることで、医療従事者の安心・安全の確保に 繋がることが期待されます。
 

微粒子ろ過効率(PFE:Particle Filtration Efficiency)

空中に浮遊する微粒子に対して用いられるマスクのフィルター性能の指標で、0.1μmのポリスチレンラテックス微粒子がマスクによって除去された割合をパーセントで示します
 

微生物ろ過効率(BFE:Bacterial Filtration Efficiency)

着用者の呼気中に含まれ排出される微生物に対して用いられるマスクのフィルター性能の指標で、平均4.0-5.0μmの飛沫に含まれる細菌がマスクによって除去された割合をパーセントで示します。
 

ウイルろ過率VFE(Viral Filtration Efficiency)

約0.1㎛~5.0㎛のウイルスが含まれた粒子がどれくらいろ過(捕集)できたのかを表しています。インフルエンザウイルス、咳・くしゃみを伴う水分を含んだウイルスの飛沫(ひまつ)などが対象となります。
 

・液体防護性

手術中、カテーテル検査、麻酔、透析の抜管時など、血管からマスクに直接血液が飛散するような場面を想定して、作られた規格です。マスクに対して、血圧に相当する80, 120, 160 mmHgの圧力をかけた場合の人工血液の透過性を試験し、合格した圧力を記載します。
 

・吸気抵抗/圧力損失(⊿P)

着用者の快適性の指標です。
吸気抵抗は、マスクを通過した後の圧力低下として測定されます。圧力低下が、通気性や快適性に影響を与えます。
 

・人工血液バリア性

液体が飛散した場合、どの程度の圧力まで耐えうるかの指標です。これは、オペやスケーリング時に 口や鼻腔を通して患者さんの血液・唾液等を被冠するリスクを大きく低減することを意味します。また施術を通じて直接肌や毛髪に刃物を扱う理美容師にも重要な意味があると考えます。
 

・ノーズクランプ

固めのワイヤで塑性力(永久変形を生じる性質)が高いワイヤが採用されているため、装着のたびに鼻梁部をしっかりグリップできるため、隙間を作ることが少ないので病原性微細粒子の外からの侵入を最小限に抑えます。また、フィルターの通気性能の高さと共に、上部へ呼気が逃げにくいために「眼鏡が曇りにくい」という効果もあります。
 

・ゴム

耳に食い込みやすい丸ゴムではなく平ゴムを採用。一般的な本体内側ではなく本体外側に取り付けられているのでマスクが顔を包み込む形になります。
 

医療用上級モデルマスク「メジャーリーガー」説明

サージカルマスクの濾過率テストの主なものはテスト媒体のサイズが直径1,000分3mm(細菌レベル)のものと10,000分の1mm(ウイルスレベル)のものがあります。前者がバスケットボールとすれば後者はパチンコ玉といったところです。したがって、同じ99%の濾過率といっても前者と後者では評価が違い、テスト媒体がはるかに小さな後者の方がずっと優れていることになります。
 
ちなみに「マスク・メジャーリーガー」は10,000分の1mm(ウイルスレベル)のPFEテストで99.8%という極めて高い信頼性を持つ微粒子レスプレーター用の超高性能フィルターを搭載しております。これは、血液や体液がマスクに付着する確率が医療現場の外科のオペについでリスクの高いものと言っても過言ではない歯科医師(オペ)や歯科衛生士(スケーリング時)の現場対応も医療現場同様に対応可能になります。
 
米国やEUでは医療用マスクにおいて血液等の体液や薬液等の浸透を遅延する性能(液体浸耐圧80mmhg以上)が最低基準として求められ、メジャーリーガーは最上級数値の120mmhgをクリアしております。
 
濾過率が高いと呼吸が苦しくなりがちで、そのままではマスクとして実用性に欠けることになるため、米国では濾過率が高いと同時に呼吸が楽(4mmH²O/c㎡以下)という相反する要素が同時に求められ、マスク・メジャーリーガーは、これらの数値もクリアして防御性能だけでなく長時間装着の快適性にも優れております。

メジャーリーガーは、この規格のバリアレベル3(最高レベル)以上のPFE(微粒子ろ過効率)と、BFE(微生物ろ過効率)⊿P(吸気抵抗)をクリア(製品独自の米国ネルソン研究所データあり)しているマスクです。

微粒子ろ過効率(PFE:Particle Filtration Efficiency)

製品値:99%超
 

微生物ろ過効率(BFE:Bacterial Filtration Efficiency)

製品値:99%超
 

・液体防護性

製品値:120mmhg
 

・吸気抵抗(⊿P)

製品値:1.5mmH²O/cm²
⊿P(吸気抵抗) 1.4mmH2O/cm²に関しては、米国軍用規格MIL.M36954Cをクリアしてます。
 

複合洗浄消毒システム使用
・肝炎ウイルス不活性化剤:フィリオ30

原液500ppm 「危機管理濃度」・HCV/肝炎ウイルス不活性化濃度
家庭用漂白剤(塩素系消毒剤)6%原液と同じ除菌力をもち、塩酸(酢酸)を使用しない特許生成「弱酸性高濃度高純度次亜塩素酸水溶液フィリオ30」を使用し、菌・ウイルスを速やかに不活性化して法定消毒工程を効率的にいたします。▶︎「第三者試験機関・試験データ項参考」
 
・中性ナノ洗浄剤:ロータスクィーン
5倍希釈 「危機洗浄濃度」30倍希釈 「衛生洗浄濃度」200倍希釈「一般洗浄濃度」
特許取得したナノ洗浄成分が配合された中性洗剤です。一般的なナノ洗剤よりも強力に脂(油)を「再結合」できないレベルまで分解します。法定消毒工程の「洗浄工程」にフィリオ30と共に使用します。▶︎「第三者試験機関・試験データ項参考」

・浸漬洗浄剤:弱アルカリ性医療用洗浄ルネサンス
200倍希釈 「衛生洗浄濃度」400倍希釈「衛生管理濃度」
医療現場では使用済み内視鏡洗浄用のタンパク質を分解して器具から剥がす弱アルカリ性洗剤。非イオン系界面活性剤8%と泡立ちも少ないので扱い易いのも特徴です。消毒工程を経た器具を浸漬させて保管消毒に使用します。▶︎「第三者試験機関・試験データ項参考」
 
・エタノール
76.9v/v%〜81.4v/v%
「中水準消毒薬」タンパク質の凝固作用と脱水作用により、細胞膜など外膜に対して浸透圧による外圧が加わり、溶菌作用(細菌の細胞が細胞壁の崩壊を伴って破壊され死滅する現象)で殺菌します。第一次洗浄消毒工程を経た剃刀を法定濃度に従い浸漬消毒いたします。御客様毎の鋏や櫛などには噴霧後に、エタノールを含ませたティッシュで拭き取ります。
 
・塩素系消毒剤(次亜塩素酸ナトリウム:塩素系漂白剤)
0.01%(100ppm)〜0.1%(1000ppm) 10分以上浸漬
「中水準消毒液」消毒剤として、家庭用塩素系漂白剤を使用します。塩素系漂白剤pH10以上の強アルカリ性で主成分は99.7%を占める「次亜塩素酸イオン CIO-」になります。「次亜塩素酸イオン CIO-」は、脂質二重膜を通り抜けられないため、菌やウイルス表面の蛋白質を酸化させて不活性化させます。
 
・タオル蒸し器(流通蒸気消毒器)
80度以上の蒸気に10分以上消毒
熱水よりも消毒能力が高い加熱水蒸気を直接流通させることによって微生物を消毒します。ただし、「高圧蒸気滅菌器」とは違う為、第一次洗浄消毒・第二次基礎消毒を経た「消毒済みタオル」を器内に入れる必要があります。注:「ホット(タオル)ウォーマー」は消毒作業には使用できません。
 
・紫外線消毒
85マイクロワット/㎠ 20分以上
殺菌灯は蛍光物質がない蛍光灯です。蛍光物質がないので水銀の発光が可視光線に変換されることなく外部に照射され、DNAを損傷させることで細菌を殺菌します。つまり、光が当たらない個所には効果がないので注意が必要です。ゆえに理美容店では、収納する消毒対象器具は、収納前に一次洗浄消毒・第二次基礎消毒をする必要があります。単体では対象器具における充分な殺菌効力を発揮するのが難しく、複合洗浄消毒システムでは「衛生保管庫」として考えます。
 
・煮沸消毒/煮沸後2分間消毒
HBV感染ガイドラインでは15分以上煮沸
煮沸して殺菌する消毒器具。消毒剤による影響が大きいシェービングブラシなどを消毒するには便利。煮沸消毒は、水を沸騰させた中に耐熱性のある消毒対象器具などを入れて15分間以上煮沸させる方法です。煮沸後はよく乾燥させ、消毒効果の持続は1日とされています。
 

「複合洗浄消毒システム」に「超音波洗浄器」を加えたシステムを「高水準複合洗浄消毒システム」といたします。医療歯科業界とは異なり「滅菌器」などの導入が難しい理美容店においては、より高水準な菌やウイルス不活性化された器具再生工程を実現させることができます。 医療用、工業用のものから、眼鏡洗浄用などの家庭用のものなど色々とあります。価格もピンキリですが、蓋がキチンと閉じることができるものでしたら選んでも良いかと思います。超音波洗浄器使用は保健所などからの指定などではなく、現場レベルで導いたのが「高水準複合洗浄消毒システム」となります。複合洗浄消毒システム「剃刀」使用例

第一次洗浄消毒・法定工程

・流水洗浄工程

衛生管理における基礎的作業

シェービング終了後の剃刀は、まず水道水における流水にて洗浄いたします。行政指導においては30秒以上の流水洗浄が指定されております。洗浄工程としては基本ですが、とても大事な工程になります。法定消毒工程であるエタノールは、タンパク質を凝固させる働きもあります。洗浄工程をおろそかにすると、エタノール浸漬の際に、洗浄しきれなかったタンパク質が凝固してしまい、消毒効果が半減してしまいます。消毒液内における「二次感染」の恐れもありますので、洗浄は大切な工程です。

・界面活性剤洗浄工程

菌・ウイルスを含む脂(タンパク質)分解除去
行政指導では「家庭用洗剤を用いて洗浄」とありますが、残留性・効率性を考慮して使用しません。ここでは界面活性剤成分も少なく、脂を再結合不可能なナノレベルまで分解する特許「ナノ洗浄成分」が含まれた中性ナノ洗剤「ロータスクィーン」200倍希釈液を使用します(オイルシェービング後の剃刀などは30倍希釈液)。剃刀にティッシュペーパーを巻き、噴霧します。そして、トイレットペーパーで刃の汚れを物理的に排除して流水洗浄〜泡立ちも少ないので、簡単に洗い流せます。

・洗浄消毒工程

菌・ウイルスへのファーストアタック

流水後に、剃刀をティッシュペーパーで挟みます。そして肝炎ウイルス不活性化剤原液500ppmを噴霧(5回で1cc)します。その状態で30秒(製品独自の第三者試験機関による肝炎ウイルス不活性化時間)放置し、ティッシュペーパーで水分を拭き取ります。大量噴霧および長時間放置は避けてください。ティッシュペーパーを使用することにより、剃刀表面の菌・ウイルスを効率的に不活性化させて、エタノール浸漬工程の効果を最大限に活かすことができます。
 

第二次基礎消毒・法定消毒

・エタノール浸漬消毒工程

ティッシュペーパーで水分を拭き取った剃刀を、法定濃度(76.9〜81.4v/v%)のエタノールへ法定浸漬時間である10分間浸漬させます。替刃式剃刀の刃は顧客毎に取替るのが望ましいですが、再使用する場合は「超音波洗浄器」内にエタノールを入れて、浸漬と同時に超音波洗浄を1分程度行います。超音波洗浄器を使用した場合、洗浄効果と消毒効果が相乗的に高まります。長時間の浸漬は剃刀本体を痛めるため、10分経過した剃刀を取り出して次工程へ移行させます。

第三次保管消毒・法定消毒

・衛生保管工程

剃刀全体の洗浄・金属面の錆を防ぐ

エタノールに10分間浸漬後、医療用洗浄ルネサンス200倍希釈液へ浸漬させて保管します。オキシドール成分と酵素が含まれ、タンパク質分解に適した弱アルカリ性です。製品独自の第三者試験機関により約98%のタンパク質除去効果が認められ、エタノール浸漬後の剃刀全体のタンパク質を除去します。シェービングカップは、紫外線消毒器内で保管します。
 

・嘔吐物処理後の感染症管理

フィリオ30は次亜塩素酸製品としては高濃度500ppmです。本サイトによる購入においては、抽出時に500ppmオーバーでの出荷を製造元の厚意により実現しております。嘔吐物に関しては「ノロウイルス」が一番の対象となるかと思われますが、フィリオ30の場合は5倍希釈の「100ppm」で「30秒不活性化」の第三者試験機関結果がございます。厚生労働省・保健所機関等の指導によりエタノールから、ノロウイルスに対して使用を推奨されている「塩素系消毒剤」として一般的に使用されている漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)は「次亜塩素酸イオン(ClO-)による不活性化(消毒)効果によるものですが、性質上「反応時間」を10分(理美容師法により定められた次亜塩素酸0.1%浸漬時間)が必要になります。これに対して、フィリオ30の 5倍希釈した100ppmの次亜塩素酸(HClO)は、 30秒でノロウイルスを不活性化させます。原液の500ppmjは「肝炎ウイルス管理濃度」ですが、その場合はノロウイルスは瞬時(使用法による)の不活性化が可能かと思われます。

参考:フィリオ30/4リットルを5倍希釈して20リットルの「ノロウイルス不活性化」次亜塩素酸水溶液になります。次亜塩素酸専用スプレー(遮光性) を3スプレー1ccとして、20,000回の使用が可能です。 

 

・漂白できない物への感染症管理

漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)ですと色物などは漂白してしまいますが、フィリオ30は即効性なので、対象物に噴霧し菌・ウイルスを不活性化させたのちに洗浄などができるので漂白リスクが低くなります。洗浄できない対象物には、汚染箇所を集中的にスプレーせず、全体的に噴霧することにより同様の効果をえることができます。色物の繊維などは染色方法により変色するリスクはありますが、次亜塩素酸ナトリウムよりは格段に低くなるかと思います。なお、フィリオ30は「製品独自の第三者試験機関 」による変色試験も行われております。 注:市販される次亜塩素酸製品は次亜塩素酸の「成分効果」を製品の効果としているものが多いですが、フィリオ30は「製品効果」を第三者試験機関にて実証しております。
 

・薬剤の残留を限りなく「0」の感染症管理

次亜塩素酸の特徴として「反応後は水になる」というのがあります。次亜塩素酸は「水素」「酸素」「塩素」から構成されておりますが、水素と塩素を分離した酸素が菌・ウイルスのイオンを奪い性質を変化させたあとに、再び水素と結びつく・・つまり「水」となるわけです。さらに、フィリオ30は、従来の「2液式(塩酸/酢酸と次亜塩素酸ナトリウムの混合)」「電解式(塩と次亜塩素酸ナトリウムを電解)」の生成法とは異なる「緩衝式」生成で、次亜塩素酸のみを高濃度・高純度で製品化することができた近年特許取得された次世代次亜塩素酸製品です。そのために、反応後に水に変化した際に、他の「不純物」が極めて少なく、塩素系消毒の副産物である発癌性物質「臭素酸」も安全基準以下と実証されております。これは高純度次亜塩素酸であるフィリオ30の特徴で、従来の次亜塩素酸製品では反応後の水には不純物が多いと思われます。そのような意味でも、安心して対象物の感染症管理を行うことができます。 
 

・作業ごとの手指の感染症管理

1リットル容器である次亜塩素酸専用シャワーポンプは、手指(手袋)の衛生管理には適しております。作業中でも手首などでポンプを作動させることにより、スムーズに手指にフィリオ30を噴霧することができます。現在は逆性石鹸や低濃度エタノールでの手指消毒が主流ですが、薬液自体の反応への瞬発性は疑問が残ります。作業中の手指衛生管理でノロウイルスなどなら100ppm、O-157・サルモネラ菌・緑膿菌なら50ppmでも十分です。

参考:フィリオ30/4リットルを10倍希釈して40リットルの「O-157・サルモネラ菌・緑膿菌不活性化」次亜塩素酸水溶液になります。次亜塩素酸専用シャワーポンプボトルを1プッシュ1ccとして40,000回の使用が可能です。 


・強アルカリ性洗剤が使用できない油汚れ垢など油脂を主体をした汚れには「強アルカリ性洗剤」が適しておりますが、対象物によっては使用できない場合があります。そのような時には中性ナノ洗浄剤ロータスクィーンが適しております。まず対象物を痛めにくい中性洗剤でありながら、強アルカリ性洗剤を同等の洗浄能力をもっております。また、界面活性剤成分も従来の洗剤よりも少ないため、泡切れが良いのも特徴です。それでいて、強力な洗浄能力があるのが近年特許を取得した「ナノ洗浄成分」が配合されているからです。油などが染み込んだ布なども、生地を痛めることなく油をナノレベルで分解し洗浄します。

参考:中性ナノ洗浄剤ロータスクィーン/2リットルを200倍希釈して400リットルにして通常汚れ用に使用します。汚れ具合により30倍、5倍と希釈濃度を変化させて使用します。 

 

・料理人およびスタッフの飛沫感染

業務中に関係者による咳・くしゃみで唾液などによる被曝を防ぐためにマスクを使用します。この時に、マスクに求められる性能としては「BFE」という数値と「液体浸透耐圧」という数値に注目します。まず「BFE」とは微粒子に対するフィルター機能を示す値ですが、これはマスク装着者から細菌を飛沫させない為の指標です。また「液体浸透耐圧」とは被曝水圧をマスクに浸透させない為の指標です。ともに大きいほど理想的ですが、大陸ゆえに島国の日本よりも感染症対策に長けている世界一厳しい米国医療用マスク標準の上級グレード「M101」規格をクリアしている医療用モデルマスク「メジャーリーガー」は「BFE」は99%超、「液体浸透耐圧」は120mmHGという動脈血管等からの水圧に耐える性能をもっております。ちなみに「PFE」に関しても「メジャーリーガー」は99%超ですので要介護者・スタッフにも安心です。
 

・嘔吐物処理後の感染症管理

フィリオ30は次亜塩素酸製品としては高濃度500ppmです。本サイトによる購入においては、抽出時に500ppmオーバーでの出荷を製造元の厚意により実現しております。嘔吐物に関しては「ノロウイルス」が一番の対象となるかと思われますが、フィリオ30の場合は5倍希釈の「100ppm」で「30秒不活性化」の第三者試験機関結果がございます。厚生労働省・保健所機関等の指導によりエタノールから、ノロウイルスに対して使用を推奨されている「塩素系消毒剤」として一般的に使用されている漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)は「次亜塩素酸イオン(ClO-)による不活性化(消毒)効果によるものですが、性質上「反応時間」を10分(理美容師法により定められた次亜塩素酸0.1%浸漬時間)が必要になります。これに対して、フィリオ30の 5倍希釈した100ppmの次亜塩素酸(HClO)は、 30秒でノロウイルスを不活性化させます。原液の500ppmjは「肝炎ウイルス管理濃度」ですが、その場合はノロウイルスは瞬時(使用法による)の不活性化が可能かと思われます。

参考:フィリオ30/4リットルを5倍希釈して20リットルの「ノロウイルス不活性化」次亜塩素酸水溶液になります。次亜塩素酸専用スプレー(遮光性) を3スプレー1ccとして、20,000回の使用が可能です。 

・漂白できない物への感染症管理

漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)ですと色物などは漂白してしまいますが、フィリオ30は即効性なので、対象物に噴霧し菌・ウイルスを不活性化させたのちに洗浄などができるので漂白リスクが低くなります。洗浄できない対象物には、汚染箇所を集中的にスプレーせず、全体的に噴霧することにより同様の効果をえることができます。色物の繊維などは染色方法により変色するリスクはありますが、次亜塩素酸ナトリウムよりは格段に低くなるかと思います。なお、フィリオ30は「製品独自の第三者試験機関 」による変色試験も行われております。 注:市販される次亜塩素酸製品は次亜塩素酸の「成分効果」を製品の効果としているものが多いですが、フィリオ30は「製品効果」を第三者試験機関にて実証しております。
・薬剤の残留を限りなく「0」の感染症管理次亜塩素酸の特徴として「反応後は水になる」というのがあります。次亜塩素酸は「水素」「酸素」「塩素」から構成されておりますが、水素と塩素を分離した酸素が菌・ウイルスのイオンを奪い性質を変化させたあとに、再び水素と結びつく・・つまり「水」となるわけです。さらに、フィリオ30は、従来の「2液式(塩酸/酢酸と次亜塩素酸ナトリウムの混合)」「電解式(塩と次亜塩素酸ナトリウムを電解)」の生成法とは異なる「緩衝式」生成で、次亜塩素酸のみを高濃度・高純度で製品化することができた近年特許取得された次世代次亜塩素酸製品です。そのために、反応後に水に変化した際に、他の「不純物」が極めて少なく、塩素系消毒の副産物である発癌性物質「臭素酸」も安全基準以下と実証されております。これは高純度次亜塩素酸であるフィリオ30の特徴で、従来の次亜塩素酸製品では反応後の水には不純物が多いと思われます。そのような意味でも、安心して対象物の感染症管理を行うことができます。 

・作業ごとの手指の感染症管理

1リットル容器である次亜塩素酸専用シャワーポンプは、手指(手袋)の衛生管理には適しております。作業中でも手首などでポンプを作動させることにより、スムーズに手指にフィリオ30を噴霧することができます。現在は逆性石鹸や低濃度エタノールでの手指消毒が主流ですが、薬液自体の反応への瞬発性は疑問が残ります。作業中の手指衛生管理でノロウイルスなどなら100ppm、O-157・サルモネラ菌・緑膿菌なら50ppmでも十分です。

参考:フィリオ30/4リットルを10倍希釈して40リットルの「O-157・サルモネラ菌・緑膿菌不活性化」次亜塩素酸水溶液になります。次亜塩素酸専用シャワーポンプボトルを1プッシュ1ccとして40,000回の使用が可能です。 
・強アルカリ性洗剤が使用できない油汚れ垢など油脂を主体をした汚れには「強アルカリ性洗剤」が適しておりますが、対象物によっては使用できない場合があります。そのような時には中性ナノ洗浄剤ロータスクィーンが適しております。まず対象物を痛めにくい中性洗剤でありながら、強アルカリ性洗剤を同等の洗浄能力をもっております。また、界面活性剤成分も従来の洗剤よりも少ないため、泡切れが良いのも特徴です。それでいて、強力な洗浄能力があるのが近年特許を取得した「ナノ洗浄成分」が配合されているからです。油などが染み込んだ布なども、生地を痛めることなく油をナノレベルで分解し洗浄します。

参考:中性ナノ洗浄剤ロータスクィーン/2リットルを200倍希釈して400リットルにして通常汚れ用に使用します。汚れ具合により30倍、5倍と希釈濃度を変化させて使用します。 

・要介護者およびスタッフの飛沫感染

業務中に関係者による咳・くしゃみで唾液などによる被曝を防ぐためにマスクを使用します。この時に、マスクに求められる性能としては「BFE」という数値と「液体浸透耐圧」という数値に注目します。まず「BFE」とは微粒子に対するフィルター機能を示す値ですが、これはマスク装着者から細菌を飛沫させない為の指標です。また「液体浸透耐圧」とは被曝水圧をマスクに浸透させない為の指標です。ともに大きいほど理想的ですが、大陸ゆえに島国の日本よりも感染症対策に長けている世界一厳しい米国医療用マスク標準の上級グレード「M101」規格をクリアしている医療用モデルマスク「メジャーリーガー」は「BFE」は99%超、「液体浸透耐圧」は120mmHGという動脈血管等からの水圧に耐える性能をもっております。ちなみに「PFE」に関しても「メジャーリーガー」は99%超ですので要介護者・スタッフにも安心です。
 

予備洗浄におけるフィリオ30の使用について 

 血液や唾液が付着した器具でタンパク質を残存させると、その後の洗浄・消毒・滅菌に障害があることは広く知られています。血液などが乾燥する前に(予備洗浄)でフィリオ30を使用することで強力な菌やウイルスも素早く除去し、同時にタンパクも除去する事でファーストコンタクト(予備洗浄)で「攻めの感染対策」ができ、その後の「洗浄・消毒・滅菌」 (ガイドライン)を円滑に運ぶ事もできます。尚、フィリオ30に関しては環境や人体にやさしく幅広い材質に使用でき、塩素系漂白剤に比べると手肌にやさしく、原液でもキツイ塩素臭が少なく数分後は無臭になっており「消臭効果」も発揮させる為に使用は極めて簡単です。又、菌やウイルスを圧倒的な破壊力と即効性で除去した後は、次亜塩素酸(HClO)がH²0(水)に分解される為に配管等も痛めず廃棄も簡単です。1回の使用量目安は、約1cc~2cc程度(1Lで約500回以上・小器具の場合)使用できるので、低コストで液の無駄を省きます。使用法は各現場で様々な応用がきくと思います。そこで、参考として低コストで簡単にできる平均的な形を紹介させていただきます。
エビエンス:北里環境科学センター

フィリオ30

①危機管理濃度(原液)

原液500ppm 血液や唾液等が付着した器具など
 

②日常衛生管理濃度(5倍希釈・100ppm)

・血液付着していない日常ユニットの清拭
・院内の除菌
・院内の消臭
・スリッパなど除菌消臭
◎保管場所は陽の当たらない場所にて保管。
※1回での平均使用量 約1CC(5回噴霧)~2CC(小器具の場合)
 

フィリオ30を使用した一次洗浄作業

▼フィリオ30原液による ファーストコンタクトでの使用について

・第一工程
血液や唾液が付着した器具を水で洗った後にテッシュペー
パーに乗せます。
・第二工程
ティッシュペーパーで包み込んだ後に満遍なくフィリオ30を十分に噴霧します。
・1分程度放置
ティッシュペーパーで余計な水分を十分に拭き取ります。その後に二次洗浄作業へ進みます。
 

二次洗浄作業

フィリオ30使用後は以下の通常の二次洗浄作業に進みます。
超音波洗浄
洗浄から滅菌作業へ
オートクレープで使用できない器具は高水準消毒薬で(グルタラール製剤等)化学的滅菌もしくは殺菌。
 
▼プロフィーカップ・プロフィーブラシ・リーマーなどの使用について
ティッシュペーパーを巻く事が困難な器具類は浸漬処理致します。使用する液は1回の浸漬/使い捨てです。
第一工程
液の無駄を防ぐ為に、必要最低限の量を使用する事を心が30の原液を入れます。この時ポンプ容器でしたら5回プッシュ(約10cc)が標準使用量と考えます。
第二工程
1分間程浸漬:水洗後に次亜塩素酸ナトリウムに比べ、金属、ゴム類、レザー、プラスチック類等、漂白性、腐食(サビ)性など殆ど心配ございませんが、スチールバーに関しては浸漬時間5分以上で変色します。浸漬時間は1分間で速やかに水洗して乾燥させてください。
二次洗浄作業。
次亜塩素酸ナトリウムに比べ、金属、ゴム類、レザー、プラスチック類等、漂白性、腐食(サビ)性など殆ど心配ございませんが、スチールバーに関しては浸漬時間5分以上で変色します。浸漬時間は1分間で速やかに水洗して乾燥させてください。

タービン・ハンドピース類の予備洗浄

アルコールは、タンパクを固める作用があるのでタービン、HPなどは本来はアルコール消毒の前にタンパク除去をするのがベストです。しかし、水洗や超音波洗浄などでは困難なためにフィリオ30(サーティー)を使用する事で、タンパク除去と共に強力な菌やウイルスも30秒~1分での即効性の除去が可能です。いわば二刀流の働きで、その後のアルコール消毒などの滅菌作業も円滑に行えます。
 
◎1回の噴霧による使用量 約2cc※ティッシュペーパーごと拭き取る事で、次のステップへ円滑に移行できます。
 
注水後タービンやHPをティッシュペーパーで包みフィリオ30原液で、十分にスプレー噴霧します。噴霧後1分程度放置しティッシュペーパーごと拭き取ります。
アルコール消毒
滅菌処理

印象体の除菌

スプレー噴霧の場合

❶水洗
❷フィリオ30原液を十分に噴霧後1分〜5分放置
 

浸漬処理の場合

❶水洗
❷フィリオ30原液を適量で浸漬1分〜5分放置
 

ユニット周辺又はスリーウエイシリンジの清拭

次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)やアルコールに比べ、漂白性又は変色性、腐食性の心配がない為殆どの材質に適応できます。
 
1)血液などが付着して高いリスクの場合はフィリオ30(原液500ppm)で満弁なくスプレー噴霧してウェットティッシュ ペーパーやワッテ等で拭きとる。
  ※日常のユニットの清拭の場合5倍希釈(100ppm)日常の衛生管理濃度で可

2)口腔外バキュームのヘッド部など取り外し可能なものは水洗⇒フィリオ30(原  液500pm)をスプレー噴霧  ※金属部分は、水で錆びないように拭きとる。

3)スピットンの除菌又は消臭は日常のユニット清拭の場合は5倍希釈(100ppm)日常の衛生管理濃度を使用します。血液が付着した場合を除いては、日常のユニットの清拭では5倍希釈でも良いと考えます。(5倍希釈でもネコカリシウイルス(ノロウイルスの試験用代替ウイルス)30秒での不活化が確認されています。

総合的注意点

グルタラール製剤との比較と使用にあたって

先ず誤解のないように前置きしますが、フィリオ30がグルタラール製剤に代わる(同じ使い方)のものでは「無い」という点は、御理解ください。グルタラール製剤は、オートクレープ滅菌が困難な器具の化学的滅菌(高水準消毒薬)として唯一、 消毒薬の中で「滅菌」が可能な殺菌効果の最も強い消毒剤として知られています。一方では消毒剤の中でも「血液などのタンパクを凝固させる作用」が最も強い事も知られています。例えば、理想は1時間流水洗浄後の使用であっても 実際の多忙な現場で困難なケースもあると聞きます。フィリオ30をファーストコンタクトで使用する事で、グルタラール製剤やエタノールなど含めた他の消毒剤の本来の力を発揮させていく(助けていく)役目もあります。複合消毒システムとは、「低コストかつ総体的に作業効率をあげていくもの」と理解していだだけるのが望ましいと思われます。


訪問診療に関して

老人施設又は個人宅への訪問という環境は、即座に洗浄又は消毒が困難であるという点で「訪問理容」と共通点があります。可能な限り乾燥させず(タンパクを残存させないで)菌やウイルスを除去後に持ち帰り、本来の洗浄・消毒・滅菌業務を行うのがBESTと考えます。そういった観点から、フィリオ30は使い勝手と菌やウイルスの素早い除去やタンパク分解力の両方を兼ね備えた機能から訪問診療には、かなり有効に役立つと考えます。理容では御客様に対して刃物である鋏は無論の事、御要望があれば剃刀を使用して、襟剃りや顔剃りもいたします。また洗髪ができない場合は、持参したタオルなどで頭皮を拭いて清潔な状態にいたします。使用した器具や、タオルなどは店舗に戻ってから消毒作業に移りますが、訪問先ではフィリオ30を用いた第一次洗浄作業を行います。
 
その際の使用済タオルにおいても、フィリオ30を訪問先で事前噴霧処理することにより、消毒時の感染リスクを減らす事ができます。又、老人施設ではノロウイルスの感染対策も必要になります。アルコールや逆性石鹸ではノロウイルスへの効果は不十分な事とアルコールよりも肌に刺激が少なく、フィリオ30は5倍希釈でもネコカリシウイルス(ノロウイルス試験用代替ウイルス)への30秒での不活化を考えると、老人施設では、やはりノロウイルスの感染対策としても 有効に活用できると考えます。フィリオ30(原液/5倍希釈)を訪問先で活用していただき、現場での菌やウイルスとタンパク除去は、帰院後の円滑な洗浄や滅菌・ウイルス不活性化作業に役立たせていただける、と考えます。

訪問診療では、やはり院内の設備のように充実した環境ではなく、訪問先では速やかに洗浄後の消毒が困難なケースもあります。ゆえに処置後にタンパクを残存させたまま乾燥させ、帰院してからの洗浄や滅菌作業はリスクを伴う事になります。フィリオ30(原液/5倍希釈)を訪問診療先で活用していただき、菌やウイルスの除去とタンパクの除去を速やか行い、帰院後の滅菌作業を円滑にして感染対策に役立つと考えます。

フィリオ30を使った複合洗浄消毒システム
の歯科医療現場における応用

横浜市開業 歯科さめじま 院長 鮫島佳子 http://samejimahdc.jp/
 
例年、細菌やウイルスに対する「感染対策」への関心や知識の向上は、様々な業種においても軽視できない重要な課題となってきました。中でも 毎年発生するノロウイルスの大流行の季節では、アルコールや逆性石鹸では不十分な事や、次亜塩素酸ナトリウムの有効性がテレビなどで注意喚起される時代になりました。これは、医療従事者のみならず、一般家庭まで誰でも知られる「常識」となった事でもあります。これは、これまでの感染症の予防対策に対する情報や知識も、過去の古い習慣や常識にとらわれず新しい知識を取り入れるべき時代にきていると思われます。つまり、様々な業種でも衛生意識のスキルアップが求められる時代だといえます。その中でも「血液や唾液によるタンパク」そして、ウイルスといった観点からも「接触感染」「経皮感染」の細心の注意が必要な現場こそが「歯科医院」であるといっても過言ではありません。
 
昨今、理容業界において(理容店は、法令に定められた法定消毒法で、保健所の管轄下にある衛生管理が厳しい現場でもあります)フィリオ30が血液負荷かけた芽胞レベルで1分で除去される試験結果に着目し、フィリオ30を使用した「第一次洗浄消毒」という過程を、従来の理容の法定消毒下での作業に加えました。この作業により、ファーストコンタクトから攻めの感染対策が可能になり、理容の法定消毒法(私たちでいえばガイドライン)を厳守した上で発案された「フィリオ30を使った複合洗浄消毒システム」が日本衛生管理協会代表でもある理容師・藤井実氏から発表され、全国理美容ニュースにも取り上げられました。
 
そのフィリオ30・ロータスクィーン・洗浄ルネサンスを使った複合洗浄消毒システムは、「歯科医療の消毒作業の現場」においても応用できるものと考え、当院でも現在フィリオ30と共に導入しております。そこで、そのプロセスを簡潔にまとめてみました。先ず、一般的にもよく知られている事ですが、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)は次亜塩素酸(HClO)の力により、本来の殺菌効果が発揮されると言われています。但しpHによって、その力(次亜塩素酸HClOの)の大きな差異がある事も大変重要な事とされています。次亜塩素酸(pH)による殺菌力の違いについてアルカリ性領域(pH10)では次亜塩素酸(HClO)は0.3%に対して弱酸性領域(pH6~6.5)では次亜塩素酸は90%以上となり、PH6~6.5に調整する事で80倍以上の殺菌力が発揮されております。つまり、作用時間(スピード)も大幅に早くなる事がわかります。
 
又、次亜塩素酸ナトリウムでは「トリハロメタン」の発生は弱酸性の領域内において化学的にも起きにくい領域と言われております。これも、アルカリ性に比べると「強力なのに”環境や人体にやさしい」という安全性が高い利点もなります。強力なものは、その分リスクも高いものと思われがちです。しかし、上記の次亜塩素酸ナトリウムにおける「最も強力で高い安全性のある弱酸性領域」に安定させる事で、高い安全性で細菌やウイルスを素早く除去できるという「メリット」が生まれます。
 
フィリオ30に関しましては、㈱スカイレインボーの早野氏と日本次亜塩素酸協会の理事の清水氏に下記の厳しい条件と共に、全く新しい弱酸性安定化の次亜塩素酸水溶液の製品ができないか?と話し合って誕生した経緯があります。

①塩酸や酸など一切混ぜない、電気分解もしない→無添加で高純度、高い安全性、安定性の追求された製法

②更に、高濃度500ppmで、かつ純度の高い次亜塩素酸である事→濃度とPHの安定とそして純度

③高濃度でも、広範囲の材質に使用できる→金属(印象トレー含む)からプスチック類、ゴム類まで使用可能な事(長時間でなければ)

④高濃度でも、染物は除いて印象体(アルギン酸やシリコン)の変型がしない事→漂白性や変色性の心配がない事

⑤汚染血液のタンパク分解作用の確認→第三者検査機関で実施する事

⑥最もハイリスクでリアルな殺菌効果試験を第三者検査機関で取る事→血液を混入させた芽胞による殺菌効果試験結果
※血液負荷かけた芽胞に対しての作用時間を確認したい為、試験は”1分と5分”で実施(即効性の確認)

⑦臭素酸(次亜塩素酸生成時に発生する)の数値→水道法の基準値0.01mg/L以下 (理想は0.005mg/L未満)
※原液の高濃度で水道法にもとづく水質基準の適合レベル(平成15年厚生労働省告示第261号)かどうか?
 
これは、やがて最新の技術「緩衝法」という塩酸など一切まぜないで、pH緩衝力のもつ「水素イオン交換体」によって、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)が次亜塩素酸(HClO)に変換される生成法により実現されます。無添加により高濃度500ppmで、弱酸性(pH6~6.5)安定と金属イオン吸着と不純物を除去した、まさに純度の優れた次亜塩素酸で弱酸性で高濃度という最も理想とする画期的な技術が、上記①~⑦全て要求通り以上の製品「フィリオ30(サーティー)」として、歯科業界に発売されました。又本又本年、理容界で発表されたフィリオ30・ロータスクィーン・洗浄ルネサンスを使った洗浄作業を含む複合洗浄消毒システムを参考とし、消毒ガイドラインを基盤とすることにより、歯科の現場においても更に「守りから攻めの感染対策」が可能と考えます。
 

第三者である試験機関による製品独自の試験結果が存在するということが大切です。理容師は国家資格者です。ですので、キチンとした製品独自データがあることが我々のえ「衛生管理」にとっては最低条件になります。公開されている「成分の効果」を流用したり、実際に販売されている製品の濃度よりも濃い濃度での試験結果を表示したりする薬剤は使用するべきではありません。 
 
下記のエビデンスは複合洗浄消毒システムにおける指定衛生管理品の製造販売元から提出された製品独自データになります。学術的データを引用・転用する製品はシステムには使用できません。更に複合洗浄消毒システムの確実性のために製造販売元に理容室まで出向いていただき、実際の施術工程でのATP検査などで実証データを作成しております。ですので、システムを独自に解釈して方法を変更したり、別薬剤などを使用したものには「一切適応されません」ので御了承ください。
 

エビデンス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
一般には、医学および保健医療の分野では、ある治療法がある病気怪我・症状に対して、効果があることを示す証拠検証結果・臨床結果を指す。エビデンスは、医療行為において治療法を選択する際「確率的な情報」として、少しでも多くの患者にとって安全で効果のある治療方法を選ぶ際に指針として利用される。

衛生最前線での使用を考えた「フィリオ30」の品質管理

鮮度のこだわり

受注後に濃度を10%UPして生成し新鮮さをモットーに出荷します。

品質のこだわり

全製品有効塩素濃度とpHは国産(柴田科学)のデジタル測定器で計測しております。

濃度のこだわり

製品原液濃度は試験結果濃度よりも余裕がある高濃度500ppmです。

医療品レベルのこだわり

製造年月を刻印しております。
 

【安全性について
【安全性について

5倍希釈(100ppm)「衛生管理濃度」では飲料水レベルの安全性となっております。2013年7月〜7月19日:検査方法「食品衛生及び平成15年厚生労働省告示第261号」26項目全ての基準数値を下回る結果により食品衛生法「飲料適の水」に適合が第三者検査機関において確認できました。但し、飲料水ではないので故意的に口に含んだり飲料はできません。あくまでも使用時に人体に影響なく使用できるという解釈になります。

【血液汚染器具に対する除タンパク効果】

実験的に血液で汚染させた歯科用器具を、医療器具用洗浄液「高濃度次亜塩素酸弱酸性水溶液・フィリオ 30」浸漬後に、器具に残留するタンパク質を定量して、除タンパク効果を確認することを目的とした。 

【試験水】
医療器具用洗浄液「高濃度次亜塩素酸弱酸性水溶液・フィリオ 30」;原液使用 (有効塩素濃度 500 mg/L、pH 6.0 ± 0.5)(実測値:有効塩素濃度 356mg/L、pH6.0)
 
【試験材料】
汚染対象品:歯科用器具「ミラートップ」(「Dental Mirror」吉田ミラートップ)
汚染物質:羊全血, ヘパリン処理 ((株)日本生物材料センター) 
 
【試験条件】
ミラートップへの血液塗布 ミラートップに血液0.01mLを塗布した 。
あらかじめ25 ± 2°Cに保持した試験水50 mLを100 mL容量のガラス容器に分取し、血液塗布したミラートップを所定時間浸漬した。所定時間浸漬後に1%SDS (Sodium n-Dodecyl Sulfate) 10 mLが入った試験管内にミラートップを回収し、10分間超音波洗 浄機 (BRANSON 2210J, 90W) で処理後さらにボルテックスミキサーで撹拌して、 ミラートップに残留している血液を洗い出したものを、タンパク質定量用試料液とした。水道水浸漬条件は、試験水浸漬後に、水道水50 mL中に浸漬し、その後は前記同様の方 法で洗い出した。血液塗布直後に、浸漬せずに洗い出したものを、「初発」とした。
 
タンパク質の定量 タンパク質定量用試料液を室温で1時間静置後、 BCA法で試料液1 mLあたりのタンパク質量を定量した (定量下限値 1.0 g/mL)。 
有効塩素濃度およびpH測定 試験直前に試験水「フィリオ30」の塩素濃度をAQUABAQ-102(柴田科学, ヨウ素法) で、pH を CMPACT pH METER, B-212 (HORIBA, ガラス電極法) で測定した。 また、すすぎ水として用いた「水道水」の残留塩素濃度を Pocket Colorimeter (HACH, DPD法) で測定した。 
 
【試験結果】
「フィリオ 30」に 5 分間浸漬後のミラートップに残留したタンパク質量は、17 g/mL (除去率 89.4%) 、水道水に 30 秒間浸漬後は 6.2 g/mL (除去率 96.1%) となった。一方、「グルタラール製剤 2.0%」に 5 分間浸漬後のミラートップに残留したタンパク 質量は、初発とほぼ同等の数値である 170 g/mL となり、水道水に 30 秒間浸漬したも のは 100 g/mL (除去率 37.5%) となった。「フィリオ 30」と「グルタラール製剤 2.0%」での浸漬洗浄による残留タンパク質量 の除去率を比較すると、5 分間浸漬後で「フィリオ 30」は「グルタラール製剤 2.0%」 の 10 倍、水道水 30 秒間すすぎ後では 10 倍以上の除去率差が認められた。 
 

【牛下痢症ウイルス(C型肝炎ウイルス代替)の不活性化試験】

 「次亜塩素酸弱酸性水溶液フィリオ30」のウシ下痢症ウイルス(C型肝炎ウイルス代替)に対する不活化効果を評価した。

【試験水】
医療器具用洗浄液「高濃度次亜塩素酸弱酸性水溶液・フィリオ 30」;原液使用 (有効塩素濃度 500 mg/L、pH 6.0 ± 0.5)(実測値:有効塩素濃度 414mg/L、pH6.0)
 
 【試験材料】
 供試ウイルスの培養と調製方法:BVDVをウシ腎臓由来細胞株に感染させ、細胞培養面積の約90%以上が細胞変性効果を示したときー80度の冷蔵庫に凍結保存した。その後、凍結融解操作を2回繰り返し、3,500rpmで10分間遠心した上澄みを摂取し、限外ろ過膜で濃縮したウイルス液を供試ウイルスとした。
 
 【試験結果】
初期ウイルス感染価は5.8x10の4乗PFU/mLリットルであった。PBS(陰性対象)に30秒間作用させた場合の感染価は3.5x10の4乗PFU/mLであり、初期値からほとんど変動しなかった。一方「高濃度次亜塩素酸弱酸性水溶液フィリオ30」をウイルスに30秒間作用させた場合、検出限界値(5PFU/mL)以下となった。
 

【血液負荷芽胞(枯草菌)に対する殺菌効力試験】

医療器具用洗浄液「高濃度弱酸性次亜塩素酸水フィリオ30」の血液負荷芽胞(枯草菌)に対する殺菌能力を評価することを目的とした。

【試験水】
医療器具用洗浄液「高濃度スーパー弱酸性洗浄水・フィリオ 30」;原液使用 (有効塩素濃度 500 mg/L、pH 6.0 ± 0.5)(実測値:有効塩素濃度 350mg/L、pH6.0)
 グルタラール製剤;2.0%に希釈して使用・洗浄前ATP値2,601/洗浄消毒後ATP値44(タンパク除去率98.3%)
 
【試験材料】
負荷物質:羊血、ヘパリン処理(株式会社日本生物材料センター)
試験菌:枯草菌、芽胞液(NAMSA社製lot.GBS009-08)
*芽胞(枯草菌):消毒剤や熱に非常に強い抵抗力をもち120度の加熱でも15分以上かかると言われている。

【試験結果】
初期値は1.2x10の5乗CFU/mLであった。対照の生理食塩液に5分間作用させた場合の菌数は1.2x10の5乗CFU/mLであり、初期値から変動しなかった。試験品「フィリオ30」を血液負荷芽胞に1分間作用させた場合、定量下限値(1CFU/mL)未満となり、菌数対数減少値を示した。一方、試験品「2%グルタラール製剤」の5分間作用後の菌数は9.8x10の4乗CFU/mLとなり、対象と比較してほぼ変わらなかった。以上より「フィリオ30」は、作用時間1分でLRV=5.1以上の値を示しており、血液負荷芽胞に対する殺菌効果があると判断された。一方「2%グルタラール製剤」は作用時間5分での殺菌効果は認められなかった。
 

 【芽胞(枯草菌)に対する殺菌効力試験】

【試験水】
医療器具用洗浄液「高濃度次亜塩素酸弱酸性水溶液・フィリオ 30」;原液使用 (有効塩素濃度 500 ppm、pH 6.0 ± 0.5)
 塩素系漂白剤/次亜塩素酸ナトリウム;原液5%使用(50,000ppm)
 
【試験材料】
試験菌:枯草菌6.6x10の9乗(66,000,000個)
*芽胞(枯草菌):消毒剤や熱に非常に強い抵抗力をもち120度の加熱でも15分以上かかると言われている。
 
【試験結果】
・塩素系漂白剤:放置時間30秒間/生菌数<1(検出されず)
・フィリオ30:放置時間30秒間/生菌数 1個
 

【パルボウイルスに対する殺菌効力試験】

パルボウイルスは、パルボウイルス科 に属する直鎖1本鎖DNAウイルスである。直径20nmの球状粒子で、カプシドは正二十面体構造を形成し、エンベロープは持たない。パルボウイルスは自然界に存在するウイルスの中でも最も小さい部類に入るため、ラテン語で「小さい」を意味する parvus から命名された。参考: ウィキペディア
▶︎補足:ウイルスで最も薬剤耐性が大きいとされている。
 
【試験材料】
試験ウイルス:Canine parvovirus,Cornell-780916,ATCC VR-2016
感染価単位:TCID50/mL
検出限界値:6.3TCID50/mL
 
【試験結果】
・対照(PBS):感染価6.3x10³ 感染価差ー 有効性ー
・フィリオ30:感染価1.0x10⁴ 感染価差0.2 有効性:有効
 
【試験結果】
・塩素系漂白剤:放置時間30秒間/生菌数<1(検出されず)
・フィリオ30:放置時間30秒間/生菌数 1個
 >減少率30秒:99.99%
 

【浸漬試験】

【試験水】
医療器具用洗浄液「高濃度次亜塩素酸弱酸性水溶液・フィリオ 30」;5倍希釈液使用 (有効塩素濃度 100 ppm、pH 6.0 ± 0.5)
 
【試験材料】
合成ゴム、ステンレス(歯科用シリコンポイント)ポリカーボネート樹脂(歯科用開口器)、プラスチック、ゴム(歯科用バキュームホース及びホルダー)、鏡器具(歯科用ミラートップ)、スチール(歯科用スチールバー)

【浸漬時間】
2時間

【試験結果】
合成ゴム
ステンレス(歯科用シリコンポイント)/変化は観察されなかった。
ポリカーボネート樹脂(歯科用開口器)/変化は観察されなかった。
プラスチック/変化は観察されなかった。
ゴム(歯科用バキュームホース及びホルダー)/変化は観察されなかった。
鏡器具(歯科用ミラートップ)/変化は観察されなかった。
スチール(歯科用スチールバー)/腐食が観察された。
 

【浸漬試験】

【試験水】
医療器具用洗浄液「高濃度次亜塩素酸弱酸性水溶液・フィリオ 30」;5倍希釈液使用 (有効塩素濃度 100 ppm、pH 6.0 ± 0.5)
 
【試験材料】
スチール(歯科用スチールバー)

【浸漬時間】
10分間

【試験結果】
スチール(歯科用スチールバー)/腐食は観測されなかった。
 

【フィリオ30の解放オープンパッチテスト】

【試験品】
医療器具用次亜塩素酸弱酸性水溶液「フィリオ30」 (有効塩素濃度 200 ppm、pH 6.0 ± 0.5)
 
【判定基準】
「皮膚刺激性・感作性試験の実施法と皮膚性状計測および評価」 皮膚刺激性試験 ヒトパッチテストに準じた皮膚 判定基準にて実施。 

【評価方法】
医師が判定基準に従って評価(塗布60分後、塗布24時間後) 

【試験結果】
オープンパッチテストにおける皮膚刺激指数は、フィリオ30の200ppmについては、0.0 であり、安全品であった。 

「ロータスクィーン」とは

特許取得のナノテクノロジーで血液やタンパク脂肪などの汚れを超微細に分散させる画期的な中性洗剤です。一般的な洗剤は油脂を一度分離しますが、油脂は再結合して配管の詰まりやニオイの原因になります。ロータスクィーンは特許製法により油脂分を超微細粒子状に分散させ、強力な汚れに浸透し洗浄効果を発揮すると同時に、油脂の再結合と再付着を防止します。家庭用洗剤では、界面活性剤は40%ほど含まれた製品が多いですが、ロータスクィーンは10%ほどに抑えられております。希釈濃度によりますが、泡立ちは控えめで泡切れも良いので作業効率も上がります。
 

歯科におけるATP試験

【試験実施日】
平成28年01月25日
 
【使用薬剤等】
・分散剤:ロータスクイーン
・殺菌剤:フィリオ30
 
【計測器具】
・ATP計測器:ルミテスター PD-20(キッコーマン製)
 
【洗浄対象物】
・歯科用ミラー
・スポンジ

■試験状況
・歯科用ミラー(洗浄前)➡歯用スポンジで3人の口内を擦り、汚れを一つの容器に集めたものをミラーに付け、洗浄前の汚れとした。
 
【試験1】
洗浄前ATP値147,020
ロータスクィーン(原液
)浸漬10秒し水洗い後ATP値609(タンパク除去率99.6%)
 
【試験2】
洗浄前ATP値218,255
フィリオ30+ロータスクィーン(100倍希釈
浸漬5分し水洗い後ATP値521(タンパク除去率99.8%)
 
【試験3】
洗浄前ATP値145,619
フィリオ30+ロータスクィーン(500倍希釈)
超音波洗浄浸漬5分し水洗い後ATP値16(タンパク除去率99.99%)
 
【考察】
【歯科用ミラー】
試験1:ロータス原液および試験2:ロータス×100倍希釈では残留率は低いものの若干汚れが残留している状態でした。一方、試験3:×500倍希釈+超音波洗浄の結果は残留率が他の結果と比べ、1/20まで低下し高い洗浄力を発揮しました。

【血液汚染器具に対する除タンパク効果】

【試験目的】
実験的に血液で汚染させた歯科用器具を、医療器具用洗浄剤「洗浄ルネサンス」希釈 液に浸漬、または超音波処理後に、器具に残留するタンパク質を定量して、除タンパク 効果を確認することを目的とした。 
 【試験品】
医療器具用洗浄剤「洗浄ルネサンス」;紛体 

【試験材料】
汚染対象品:歯科用器具「ミラートップ」(「Dental Mirror」吉田ミラートップ#4)
汚染物質:緬羊全血液, ヘパリン処理 ((株)日本バイオテスト研究所, Lot.190)
試験品希釈液:3 DH 硬水(JIS K 3362);日本の水道水の硬度条件を反映したもの 
 
【試験条件】
血液の塗布方法;ミラートップに血液塗布後、直ちに浸漬または超音波操作
 
【測定条件】
「洗浄ルネサンス 50 倍希釈液」
  ▶︎5 分間浸漬後、30 秒間水道水浸漬
「洗浄ルネサンス 200 倍希釈液」
  ▶︎10 分間浸漬後、30 秒間水道水浸漬
「洗浄ルネサンス 400 倍希釈液」
  ▶︎超音波 10 分間処理後、 30 秒間水道水浸漬 
 
【試験結果】
初発の血液塗布直後のミラートップから洗い出されたタンパク質量 160 μg/mL を基
準とした。
浸漬試験:「洗浄ルネサンス 50 倍希釈液」5 分間浸漬後、30 秒間水道水浸漬後のミラートップに残留したタンパク質量平均値は、3.2 μg/mL (除去率 98.0 %) となった。
超音波洗浄器使用:「洗浄ルネサンス 200 倍希釈液」10 分間浸漬後、30 秒間水道水浸漬後のミラ ートップに残留したタンパク質量平均値は、2.7 μg/mL (除去率 98.3 %) となった。測定 条件3「洗浄ルネサンス 400 倍希釈液」超音波 10 分間処理後、 30 秒間水道水浸漬後 のミラートップに残留したタンパク質量平均値は、1.3 μg/mL (除去率 99.1 %) となった。 
 

【浸漬試験】

【試験水】
洗浄ルネサンス200倍希釈濃度
【試験材料】
合成ゴム、ステンレス(歯科用シリコンポイント)ポリカーボネート樹脂(歯科用開口器)、プラスチック、ゴム(歯科用バキュームホース及びホルダー)、鏡器具(歯科用ミラートップ)、スチール(歯科用スチールバー)

【浸漬時間】
24時間

【試験結果】
合成ゴム
ステンレス(歯科用シリコンポイント)
  ▶︎変化は観察されなかった。
ポリカーボネート樹脂(歯科用開口器)
  ▶︎変化は観察されなかった。
プラスチック
  ▶︎変化は観察されなかった。
ゴム(歯科用バキュームホース及びホルダー)
  ▶︎変化は観察されなかった。
鏡器具(歯科用ミラートップ)
  ▶︎変化は観察されなかった。
スチール(歯科用スチールバー)
  ▶︎変化は観察されなかった。
 
【考察】
本試験では、医療器具用洗浄剤「洗浄ルネサンス」希釈液浸漬、または超音波処理に よる、血液汚染器具に対する除タンパク効果を検討した。本試験結果から、全ての測定条件で 98%以上の除去効果が確認された。 

【浸漬試験】

【試験水】
医療器具用洗浄液「高濃度スーパー弱酸性洗浄水・フィリオ 30」;5倍希釈液使用 (有効塩素濃度 100 ppm、pH 6.0 ± 0.5)
 
【試験材料】
スチール(歯科用スチールバー)

【浸漬時間】
10分間

【試験結果】
スチール(歯科用スチールバー)
  ▶︎腐食は観測されなかった。

ATP測定法(ATPそくていほう)とは、すべての生物の細胞内に存在するATP(アデノシン三リン酸)を酵素などと組み合わせて発光させ、その発光量(Relative Light Unit;RLU)を測定する方法のことである。ATPふき取り検査とも呼ばれる。細胞内の存在するATPは、酵素であるルシフェラーゼなどと反応させることにより発光する。この発光量はATP量が多いほど発光量(Relative Light Unit;RLU)が増す。この方法を利用して、食品業界や医療機関などでは器具の汚染調査、清浄度調査などに利用されている。これは、細菌や残渣などの汚染物質が残っているとATPが存在し、発光することによりモニタリング法として適切な衛生管理が行うことができるとされている。なお、この検査方法は、厚生労働省監修の「食品衛生検査指針微生物編2004」にも掲載されている。現在、ATP測定法により微生物の同定などを行うことはできない。宇宙開発分野では、惑星などで生物が存在しているかどうかの方法としてATP測定法が活用されている。2001年にキッコーマン株式会社が開発したATP測定器「ルミテスターPD-10」、2009年に発売された「ルミテスターPD-20」は、従来のATPだけではなく、ATPが加熱・変形したAMP(アデノシン一リン酸)も測定することができ、より精密な測定が行えるようになった(特許No.3409962)。ウィキペディアよりhttps://ja.wikipedia.org/wiki/ATP測定法 

複合洗浄消毒システムATP測定試験

理容店におけるATP検査

【試験日】
平成28年2月11日
 
【使用薬剤等】
・洗浄ルネサンス(200倍希釈液)

・高濃度次亜塩素酸フィリオ30原液(500ppm)
【計測器具】

・ATP計測器:ルミテスター(キッコーマン製)
【洗浄対象物】
・シェービングブラシ
・替刃式剃刀
 
【対象物試験方法】
・試験物を理容店にてでた刈毛(人毛)と水溶性性整髪料を混ぜた微温湯に24時間浸漬
 
【検査方法】
理容店営業中と同じ状況下を想定し、検査を意識しないシンプルな作業を心掛けた。検査体の初期測定値を測る前の流水洗浄においては、法定消毒下で指定されている10秒以上ではなく、付着した刈毛(毛髪)を流す程度にしている。
 
【検体状態】
・シェービングブラシがこれだけの脂に汚染される環境は、通常の施術環境下では考えられない。しかし、石鹸を使用せずに直接剃った場合や、オイルなど使用した多様化するシェービング技術を踏まえて検査準備をした。
 
・剃刀はシェービングブラシ同様、通常以上の汚染環境にて浸漬させた。通常の施術環境下では刃部位以外は、シェービング工程において脂などが付着する可能性は低いが、剃刀全体に汚染させている。剃刀本体も新しいと金属部分の汚れが付着しづらいため、あえて10年以上前の古い剃刀を使用した。
 
【その他】
ティッシュペーパー
 
【検査結果】
シェービングブラシ/作業時間 1分
1・流水洗浄して計測/5341
2・洗浄ルネサンスをブラシ中心部に噴霧、軽く揉み洗いして水洗して計測/169 除去率96.9%
3・フィリオ30をブラシ中心部に噴霧して計測/96 除去率98.2%
 
・剃刀/作業時間 1分
・流水洗浄して計測/581
・ティッシュペーパーで包んで洗浄ルネサンス噴霧し、ティッシュにて拭き取り後に計測/207 除去率64.4%
・ティッシュペーパーで包んでフィリオ30を噴霧し、ティッシュペーパーにて拭き取り後に計測/45 除去率93%
 
【シェービングブラシ測定結果考察】
今回のシェービングブラシは脂に長時間浸漬させているが、実際はシェービングソープ(陰イオン界面活性剤)をブラシ内に含ませているので、最初の流水洗浄で泡と共にかなりの量のタンパク質は除去されると思われる。試験では、あえてタンパク質汚染された状況から行っている。
 
複合洗浄消毒システムにおける「第一次洗浄消毒」としてブラシ内部に洗浄ルネサンスとフィリオ30を噴霧して計測した。洗浄ルネサンスに含まれる成分(注1)は浸漬することにより効果が発揮されるため、2の計測値は非イオン界面活性剤と流水によるものと考えられる。この工程は「理容師法施行規則第25条」における洗浄工程を「非イオン界面活性剤」でシェービングブラシにも適応しているが、流水工程を増やすことにも意義があると思われる。その後に高濃度次亜塩素酸弱酸性水溶液「フィリオ30」をブラシ中心部に噴霧し、軽く絞った状態で計測しているが、2の数値は変化して最終的には3の数値は98.2%の汚染物質除去率となっている。
 
フィリオ30原液(500ppm)噴霧後は流水洗浄せずに自然乾燥させるが、その間にフィリオ30の第三者試験機関による効果(注2)が作用していくと考える。フィリオ30は、他生成法(2液/電解生成法)に比べても不純物がなく、次亜塩素酸自体は水に変化する性質とフィリオ30の安全性試験データ(注3)から考えても、その後の施術に使用しても問題ない。因みに、血液汚染の場合は最後にブラシ部分の煮沸消毒工程が必要である。
 
【剃刀測定結果考察】
クラシカルシェービングては、ラザーリングでの石鹸(陰イオン界面活性剤)において肌上のタンパク質は除去されているため、現場では1の数値程は高くないと推測される。
 
複合洗浄消毒システムにおける「第一次洗浄消毒」として洗浄ルネサンスのティッシュペーパーでの浸漬拭き取り作業は、「理容師法施行規則第25条」における洗浄工程を「非イオン界面活性剤」で対応している。ただ、行政指導においては「スポンジ」で擦って洗浄とあるが、「スポンジ」の汚染については触れていない。この「スポンジ」は使い捨てと指定されておらず、「使い回し」と考えると「スポンジの衛生管理問題」が発生する。このような理由から、複合洗浄消毒システムではティッシュペーパーを使用している。この時点の2の数値は「207」であり除去率64.4%であるが、これはティッシュペーパーにて物理的にタンパク質が除去されていると思われる。
 
さらに、再度ティッシュペーパーで剃刀を包んでフィリオ30原液(500ppm)を噴霧する。放置(他の器具の洗浄作業時間程度)した後に、ティッシュペーパーで水分を拭き取り、次の工程「第二次基礎消毒」の「エタノール浸漬」に移行させる。この時点が3の数値で、「45」除去率93%となっている。今回は脂の中に浸漬させて剃刀全体を付着させているための数値であり、通常のシェービング環境下では、更に除去率が高いことが予想される。フィリオ30においては第三者試験機関による効果(注4)が1分以下で不活性化が実証されているので、放置の時間目安としたい。また、ティッシュペーパーによる浸漬により、限られた量による作用になる為に、替刃への影響は考えられない。
 
エタノールはタンパク質凝固作用もある為に、エタノール浸漬による数値低下は僅かになる。その為、複合洗浄消毒システム下ではエタノール浸漬後の剃刀は第三次保管消毒として、洗浄ルネサンス200倍希釈液に浸漬させて保管させる。成分(注1)の働きでタンパク質98%除去が第三者試験機関により実証(注5)されている。この事から、複合洗浄消毒における「第一次洗浄消毒」「第二次基礎消毒」「第三次保管消毒」工程を経た剃刀はタンパク質汚れが除去され、菌やウイルスの不活性化状態であることが立証される。
注1:酵素・オキシドール成分・炭酸ナトリウム・非イオン界面活性剤(エーテル系)・他
 
注2:「血液汚染器具に対する除タンパク効果(北生発21_0817_1号)」・「ウシ下痢症ウイルス(C型肝炎ウイルス)不活性化試験(北環発24_0025号)」・「血液負荷芽胞(枯草菌)に対する殺菌効果試験(北生発24_0231号)」
 
注3:「水質検査結果報告書(報告番号00815934-1)」・「緩衝法次亜塩素酸水溶液の解放オープンパッチテスト」
 
注4:「ウシ下痢症ウイルス(C型肝炎ウイルス)不活性化試験(北環発24_0025号)」・「血液負荷芽胞(枯草菌)に対する殺菌効果試験(北生発24_0231号)」
 
注5・医療器具用洗浄剤「洗浄ルネサンス」による血液汚染器具に対する除タンパク効果の検討(北生発25_0350号) 

複合洗浄消毒nanoシステムATP測定試験

訪問理容において、訪問先で水道による流水洗浄ができない環境を想定した試験を行った。試験物をフィリオ30ナノにて洗浄消毒を行い、洗浄成分をフィリオ30噴霧により流水洗浄を行っている。
 

フィリオ30nanoとは

「フィリオ30」と「ロータスクィーン」を混合して生成する「次亜塩素酸洗浄液」です。これは「不純物が少ない高濃度次亜塩素酸水溶液」であるフィリオ30と「特許ナノ分解中性洗剤」であるロータスクィーンだからこそできるものです。一般的な次亜塩素酸製品ですと不純物とロータスクィーンのナノ分解成分が反応し効果が相殺されてしまいます。またフィリオ30に市販中性洗剤を混合させても洗剤中の成分に次亜塩素酸が反応してしまい効果が発揮されません。これは「フィリオ30」「ロータスクィーン」だからこそできるとします。
 
持久性がある殺菌作用がある「クレゾール」と、脂・タンパク質分解する「石鹸水」を混合した「クレゾール石鹸水」というのがありますが、その「進化版」とre-yousi.comでは考えます。
 
理美容業界における「複合洗浄消毒システム」におきましては、流水施設などの制限などがある「訪問出張環境」における「nanoシステム」として定義し、流水施設がある店舗におきましては「ロータスクイーン使用>テッシュ拭き取り>流水洗浄>フィリオ30使用>テッシュ拭き取り」の「テッシュ拭き取り」「流水洗浄」工程を重要視するために、「フィリオ30ナノ」は使用定義しておりません。

理容店におけるATP検査

【試験実施日】平成27年11月2日
 
【使用薬剤等】
・分散+殺菌剤:フィリオ30nanoクリーナー(※)
・殺菌剤:フィリオ30(原液および5倍希釈)
 
【計測器具】
・ATP計測器:ルミテスター(キッコーマン製)
 
【洗浄対象物】
・剃刀
・シェービングブラシ
・鋏
・トリマー刃
・手指
・布
 
【その他】
・泡立て用シェービングソープ
・拭取用ティッシュペーパー
・拭取用ウェットティッシュ
 
【対象物試験方法】
・試験物を理容店にてでた刈毛(人毛)と水溶性性整髪料を混ぜた微温湯に10時間浸漬
 
 【剃刀】
 フィリオ30nanoクリーナーを噴霧30秒し、ティッシュペーパーにより拭取ります。その後にフィリオ30原液(500ppm)を噴霧により洗浄成分を洗い流し、エタノールに10分浸漬させ測定。
洗浄前ATP値1,576/洗浄消毒後ATP値0.8(汚染物除去率99.2%)
 
 【シェービングブラシ】
 フィリオ30nanoクリーナーを噴霧30秒し、ブラシ部分を揉み込みます。その後にフィリオ30原液(500ppm)を噴霧により洗浄成分を洗い流して測定。
洗浄前ATP値3,424/洗浄消毒後ATP値2.3(汚染物除去率97.7%)
 
 【鋏】
 フィリオ30nanoクリーナーを噴霧30秒し、ティッシュペーパーにより拭取ります。その後にフィリオ30原液(500ppm)を噴霧により洗浄成分を洗い流し、ティッシュペーパーで拭取り測定。
洗浄前ATP値2,601/洗浄消毒後ATP値44(汚染物除去率98.3%)
 
 【トリマー(刃部位)】
 フィリオ30nanoクリーナーを噴霧30秒し、ティッシュペーパーにより拭取ります。その後にフィリオ30原液(500ppm)を噴霧により洗浄成分を洗い流して測定。
洗浄前ATP値1,406/洗浄消毒後ATP値21(汚染物除去率98.5%)
 
【考察】
剃刀、シェービングブラシ、鋏、トリマー刃 においては、従来の洗浄方法に較べ、汚れの残留率が格段に下がった。原因は、フィリオ30ナノが油脂やその他の粘性成分を微細化分散させ、粘着した汚れが被洗浄面から遊離し、水流やティッシュにより容易に除去されるようになるためと考えられる。
 
顕微鏡観察では、シェービングブラシから採取したサンプルを比較すると、洗浄前と較べ、洗浄後のサンプルの方が汚れや細菌のようなものが少なくなっていることが確認できる。
 
訪問先での複合洗浄消毒システムにおける洗浄過程において、フィリオ30は、殺菌効果を担うものであるのに対して、フィリオ30ナノは洗浄効果を担うものであり、殺菌洗浄工程としては双方を洗浄工程に組み込む必要がある。
 
細菌はタンパク質汚れの中に存在し、またタンパク質汚れの中で増殖する。また、肝炎やHIVなどのウイルスは血液の汚れの中に存在する。したがって、衛生管理上、殺菌効果を得るためには汚れを除去することが非常に重要であるが、被洗浄面に皮脂の付着があると、水、アルコールなどは油を落とす力が小さいため、皮脂と混ざった汚れが落ちにくい。フィリオ30ナノは皮脂を超微細粒子状に分散させるため、油も汚れも被洗浄面から除去する効果がある。
 
以上より、水道水による流水洗浄ができない環境下での殺菌洗浄にはフィリオ30ナノを組み込んだ洗浄工程が効果的である。

追加試験

 【手指】
  試験溶液に浸漬させた手指にフィリオ30nanoクリーナーを噴霧し10秒擦ります。その後にフィリオ30の5倍希釈(100ppm)を噴霧により洗浄成分を洗い流して測定。
洗浄前ATP値2,479/洗浄消毒後ATP値22.8(タンパク除去率99.1%)
 
 【手指】
 試験溶液に浸漬させた手指を、アルコールウェットティッシュで拭取り後に測定。
洗浄前ATP値3,406/洗浄消毒後ATP値5,586(タンパク除去率ー64.0%)
 
 【考察】
訪問先で水道水による流水手洗いができないことを想定した試験です。フィリオ30ナノとフィリオ30による洗浄により手指についたタンパク質汚れを除去することができた。しかし、エタノールが含まれたウェットティッシュで拭いた場合では、逆に値が増加しています。これは、ウェットティッシュだけでは感染予防ができないことを示してます。これは手指洗浄する流水施設がない店舗では、技術者の手指が感染源になっている可能性を示唆している。
 

歯科におけるATP検査・1

【試験実施日】平成27年12月3日
 
【使用薬剤等】
・分散+殺菌剤:フィリオ30nanoクリーナー(※)
 
【計測器具】
・ATP計測器:ルミテスター(キッコーマン製)
 
【洗浄対象物】
・歯科用ミラー
 
【その他】
・エタノールワッテ
・拭取用ティッシュペーパー
 
【対象物試験方法】
・従来方法
使用済試験体(洗浄前)をATP計測し、エタノール浸漬20秒から拭取り後にATP計測

・新規方法
使用済試験体(洗浄前)をATP計測し、フィリオ30nanoクリーナー浸漬20秒から拭取り後にATP計測
 
 【従来方法】
洗浄前ATP値27,591/洗浄消毒後ATP値12,545(汚染物除去率56.5%)
 
 【新規方法】
洗浄前ATP値26,708/洗浄消毒後ATP値97(汚染物除去率99.6%)
 
【考察】
■歯科用ミラーについて
従来の方法では45.5%もの汚れが残留していたのに対し、新規の方法では0.4%まで残留率が低下していた。これも洗浄の際、ミラー表面に付着していた汚れを、フィリオ30ナノが脂肪分やタンパクなどの粘性を低下させることで、より高率に剥離した事による効果だと考える。脂肪分やタンパク高分子などの分散効果により、殺菌剤の効きも当然高まっている

追加試験

 【歯科用タービン(外側)における洗浄試験】
エタノールワッテによる拭取り
洗浄前ATP値1,625/洗浄消毒後ATP値363(汚染物除去率77.7%)
 
 【歯科用ミラーにおける洗浄試験】
エタノールワッテによる拭取り
洗浄前ATP値27,591/洗浄消毒後ATP値12,545(汚染物除去率54.5%)
 フィリオ30nanoクリーナー噴霧からティッシュペーパーによる拭取り
洗浄前ATP値26,708/洗浄消毒後ATP値97(汚染物除去率99.7%)
 

歯科におけるATP試験・2

【試験実施日】平成27年9月24日
 
【使用 除菌剤等】
・分散+弱酸性次亜塩素酸・洗浄除菌スプレー:フィリオ30nanoクリーナー
・次亜塩素酸弱酸性水: フィリオ30(5倍希釈)
 
【計測器具】
・ATP計測器:ルミテスター(キッコーマン製)
 
【洗浄対象物】
・シリコーン印象物(歯型)
・ミラー
・スポンジ
 
【その他】
・拭取用カットメン
 
【実験目的及び方法】
①シリコーン印象物(歯型)における洗浄試験 
➡歯を印象物で歯型取り(下顎側全体)
➡型取り直後に印象物をATP測定(洗浄前)
わずかに濡らして顕微鏡観察用サンプルを採取
➡印象物を軽く水洗いし、ATP測定、及び、顕微鏡観察用サンプル採取
➡フィリオ30nanoクリーナーを噴霧して60秒放置後、ATP測定、及び、顕微鏡観察用サンプル採取
➡フィリオ30<5倍希釈>を噴霧後、ATP測定、及び、顕微鏡観察用サンプル採取
 
②ミラーにおける洗浄試験 
➡使用後のミラーをATP測定(洗浄前)
➡フィリオ30nanoクリーナーをスプレーし、60秒放置後ATP試験
➡フィリオ30<5倍希釈>を噴霧し、カットメンで拭き取り後、ATP測定
 
③スポンジの洗浄試験 *手洗い
試験対象;新しいスポンジに水を吸わせ、シンクをこすったもの。
➡スポンジを絞り、絞り液をATP測定(洗浄前) 及び、顕微鏡用サンプル採取
➡フィリオ30nanoクリーナーでもみ洗いし、水道水で濯いだ後
絞り液をATP測定(洗浄後) 及び、顕微鏡用サンプル採取
 
④採取したサンプルの顕微鏡観察
 【シリコーン印象物(歯型)における洗浄試験】
洗浄前ATP値225,771/水洗い後ATP値110,101(汚染物除去率48.8%)
フィリオ30nanoクリーナー洗浄後ATP値1,567(汚染物除去率99.3%)
フィリオ30(5倍希釈)ATP値916(タンパク除去率99.6%)
 
【ミラーにおける洗浄試験】
洗浄前ATP値151,498/フィリオ30nanoクリーナー洗浄後ATP値1,199(汚染物除去率99.2%)
フィリオ30(5倍希釈)ATP値223(汚染物除去率99.9%)
 
【スポンジの洗浄試験】
洗浄前ATP値648/フィリオ30nanoクリーナー洗浄後ATP値33(汚染物除去率95%)
 

歯科におけるATP試験・3

【試験実施日】
平成28年01月25日
 
【使用薬剤等】
・分散剤:ロータスクイーン(以降ロータス)
 
【計測器具】
・ATP計測器:ルミテスター PD-20(キッコーマン製)
 
【洗浄対象物】
・歯科用ミラー
・スポンジ

■試験状況
・歯科用ミラー(洗浄前)➡歯用スポンジで3人の口内を擦り、汚れを一つの容器に集めたものをミラーに付け、洗浄前の汚れとした。
【試験1】
洗浄前ATP値147,020/ロータスクィーン(原液)浸漬10秒し水洗い後ATP値609(汚染物除去率99.6%)
 
【試験2】
洗浄前ATP値218,255/ロータスクィーン(100倍希釈)浸漬5分し水洗い後ATP値521(汚染物除去率99.8%)
 
【試験3】
洗浄前ATP値145,619/ロータスクィーン(500倍希釈)超音波洗浄浸漬5分し水洗い後ATP値16(汚染物除去率99.99%)
 
【考察】
【歯科用ミラー】
試験1:ロータス原液および試験2:ロータス×100倍希釈では残留率は低いものの若干汚れが残留している状態でした。一方、試験3:×500倍希釈+超音波洗浄の結果は残留率が他の結果と比べ、1/20まで低下し高い洗浄力を発揮しました。